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人生万事塞翁が羅生門 其の八 ページ16

「あの、芥川さん…ちょっといいかな?聞きたいことがあって…」


相澤がオールマイトと会話を始めた為、僕は先に一人で教室へと戻ってきた。

オールマイトはヒーロォの中で最も好まない。あの笑みが神経に障るのだ。

終礼の挨拶が終わり、病院への帰路につこうとしたところ、緑髪に話しかけられた。

見渡せば生徒らは皆、僕らの方を見ていた。


貴「…手短に済ませ。」


「う、うん!あっ、僕は緑谷出久。よろしく、芥川さん。
えっとね、芥川さんの個性って何かな?さっきの個性把握テストで何となくは分かったんだけど、それだけじゃない気がして…」


貴「聞かれて簡単に自らの個性を話すと思うか?

何故わざわざ自分の不利になるような事を云わねばならない?

お前とて、僕が個性を聞いたところで話さぬのだろう?不公平というものだ。」


緑「そ、そっか…ごめんね。」

緑谷は僕の言葉にハッとした表情を浮かべ俯いた。薄々感じてはいたが、やはり個性のことについては話さぬようだ。


僕が個性把握テストを拝見して気づいたこと。

それは緑谷の個性が、あのオールマイトとよく似ていたことだ。

制御不能で自らを傷つけてしまうとはいえ、あの爆発的な力。

少し聞こえた相澤とオールマイトの会話で感じた、オールマイトの緑谷贔屓。


そして、他人の個性を聞き出そうとする癖に自分の個性は話さない緑谷。


違和感は疑念へと変わり、緑谷へ尋ねてみたのだが核心をついたらしいな。


貴「話というのはそれだけか…?ならば僕は行くぞ。」


緑「待って!あと一つだけ聞きたいことがあるんだ!」


教室の扉から出ようとしたところ、またしても緑谷に引き留められる。

執拗い。何時ぞやの人虎を思い出し、気分が悪くなる。


貴「手短にと云ったはずだが。」


緑「ごっ、ゴメン…。」


睨みつければ緑谷はビクリと怯える。

これしきで怯えるのなら最初から話しかけてこなければ善いのに。


はァ…今日は冷と勉強をするから早く帰りたかったのだが。



静かに眺めているとやっと決心したのか緑谷は顔を上げた。



緑「さっきのテストの時、芥川さんは…どうしてヒーローのことを嫌ってるような言い方をしたの?」



大きな緑の瞳が僕を見つめた。

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十七夜(プロフ) - お答えします。主人公の芥川妹は文ストの世界から来たいわば転生者です。文ストでは少し難しい漢字や言い回しをするのと、転生者として他のキャラクターと違いを出そうと思ったからです。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月11日 9時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!この作品すごく私好みの作品です!一つ質問ですがヒーローをヒーロォと書いているのはなぜですか? (2019年5月11日 2時) (レス) id: 1a55ee5e7b (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - ありがとうございます!楽しんで頂けるように、これからも頑張って更新していきます! (2019年5月6日 19時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです!文ストもヒロアカも好きな、自分にとってはもうご褒美としか、言いようがないです!ありがとうございます。更新がんばってください!応援しています! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 雫さん» 応援ありがとうございます!一人称がやつがれな無自覚系男装女子が書いてみたかったのです。これからもよろしくお願いします! (2019年5月1日 18時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十七夜 | 作成日時:2018年11月10日 17時

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