人生万事塞翁が羅生門 其の七 ページ15
「芥川。」
背後から相澤に声を掛けられる。
貴「相澤殿…僕に何の御用で？」
相「先生な。
…お前、もっと言い方を考えた方がいいぞ。」
貴「言い方？僕は間違ったことは云っていないはずですが。」
相「いいか、誰もが八百万みたいにお前の言うことを受け入れるなんてことはない。現にアイツらはお前に反感を抱いてる。
お前の言ったことは事実だし、俺も間違ってるとは思わないが、アイツらは俺たちと違う。」
相澤の目が鋭さを帯びる。
相「ヒーローの一端として活動してきた俺とヒーロー社会の現状を目の当たりにしたお前。
対してアイツらは…爆豪は除いてだが、平和な環境で育ってきたんだ。
お前の言ったことは簡単には理解出来ない。」
貴「だとしても僕は自らの意見を変えるつもりはありません。
ヒーロォの増加により浮上したヒーロォの怠慢。
他者のために身を削る者もいれば、その逆もまた然り。
其れがこの社会の現状です。」
この件に関しては、僕は譲るつもりなど一切ない。
貴「彼奴らのようにへらへらと笑っている者達がヒーロォに成るかと思うと反吐が出る。
助けられなかった命があるのは…僕の兄が死んだのは彼奴らのようなヒーロォが増えたからだと考えると……僕は…！」
思わず怒気か殺気か分からないものを相澤にぶつけてしまう。
相澤はビクリと肩を揺らしたがそれでも尚こちらを見つめ、僕の話を静かに聞いていた。
相「…アイツらの肩を持つわけじゃないが…あの歳は皆あんなもんだ。お前みたいに先を読み、冷静に考えた上で発言出来るような奴は大人でもそうそういない。
三年間一緒に学ぶんだ。お前の気持ちはわかるけど長い気持ちで見守ってやれ。アイツらもお前の言ってることが段々分かるようになってくる。
ほら、教室行くぞ。」
最後にポンと僕の頭に手を置いて相澤は歩き出した。
久しぶりだ、誰かにこんな風に諭されたのは。
ヒーロォが憎い。
本当に成りたいのかさえ疑わしいほどに。
呑気に笑うヒーロォを許せない。
救われなかった犠牲の上に立って生きているから。
だが、相澤だけは僕が知っているヒーロォとは違う気がした。
この人はヒーロォだが一人の《先生》なのだ。
貴「……相澤��先生��。」
相「！…何だ。」
貴「いえ、何でもありません…」
何故だか酷く織田に会いたくなった。
相「何やってんですか…オールマイトさん…」
ｵｰﾙﾏｲﾄ「いや、出にくいなって…」
貴「…」
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十七夜(プロフ) - お答えします。主人公の芥川妹は文ストの世界から来たいわば転生者です。文ストでは少し難しい漢字や言い回しをするのと、転生者として他のキャラクターと違いを出そうと思ったからです。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月11日 9時) (
レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - はじめまして！この作品すごく私好みの作品です！一つ質問ですがヒーローをヒーロォと書いているのはなぜですか？ (2019年5月11日 2時) (レス) id: 1a55ee5e7b (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - ありがとうございます！楽しんで頂けるように、これからも頑張って更新していきます！ (2019年5月6日 19時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！文ストもヒロアカも好きな、自分にとってはもうご褒美としか、言いようがないです！ありがとうございます。更新がんばってください！応援しています！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 雫さん» 応援ありがとうございます！一人称がやつがれな無自覚系男装女子が書いてみたかったのです。これからもよろしくお願いします！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十七夜 | 作成日時：2018年11月10日 17時
