人生初俵 ページ7
zm「何やお前。急いでんねんけど」
『わっ、ちょ、来ないで！』
再び近付くゾム様に、両手を突き出し距離を取ろうとするが軽くしゃがみこみ避けられてしまう。
そうなれば私の両手はゾム様の肩辺りに浮いている訳で。
引っ込めるより先に指が黒いモヤに触れる。
触れた瞬間、黒いモヤは私の両手に吸い込まれていった。
『っ！？……うっ……』
zm「ッ！？」
何かが私の中に入る感覚。
気持ちが悪い。
急な目眩に足が耐えられずフラつく。
立っていられない程の症状に、その場に座り込もうとするが、それは叶わない。
なぜなら、私はゾム様に担ぎ上げられていたから。
いわゆる俵担ぎだ。
zm「お前…今何したんや」
『…………』
zm「まぁえーわ。動くで？」
私の返事を待つことなく動き出す。
ヤバイヤバイ、絶対リバース案件だ。
今吐けば確実にゾム様にかかる。
そんな事をすれば打首にされるのでは…
なんて考えはすぐに消えた。
揺れどころか気持ちいい風が頬を撫でる。
衝撃は全く無く本当に担がれているのか疑うくらい。
正面から俵担ぎをされた私の視界には、グングンと遠ざかる人が見えるが、さっきみたいにゾム様の名前を呼ぶ声は一切聞こえない。
むしろゾム様の存在に気付いていない。
あれだ、ネコのバスみたい。
zm「何や久々調子ええわ！飛ばすで」
『え』
zm「くかか！気持ちええやろ」
楽しそうに笑ったかと思えば、更に増す速度。
後ろ向きのせいか、再度きた吐気に思わず手で口を押さえた。
あぁ、もう限界だ。
と、気持ち悪さがMAXを迎えた時、速度は緩まり視界が外から建物の中へと変わる。
それから降ろされるまではすぐだった。
両足が地面に着くと、グラリと視界が歪み今度こそ床に座り込む。
？「だ、大丈夫ですか？顔真っ青やけど」
初めて聞く声に顔を向けると、歪む世界の中赤いマフラーが見えた。
？「ゾムお前どんな連れてきかたしてん！」
zm「しゃーないやろトントン！急いでてんから」
tn「だから言うてこんな状態で大丈夫なんかいや」
まだグルグル回る私の視界に赤いマフラーが近付く。
tn「体調悪そうなとこ悪いけど、グルさんを助けてくれるか？」
『…た、すける？』
tn「お前なぁ…説明もせんと連れてきたんか」
呆れ声の男性は、私の後方を指差しこう言った。
tn「あの人を助けてほしいんや」
まだ口元から手を離せないまま振り返る。
そこには目を瞑り、ベッドで横になる金髪男性がいた。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
