籠の中の彼女 os ページ21
os side
彼女は嘘を付いている。
隣を歩く彼女を盗み見て、先程のコネシマへの一言を思い出し思わず笑みが浮かんだ。
『コネシマ様はお残りください。自己紹介も食事も終わり、これ以上私がここにいる意味はありませんので。失礼致します』
颯爽と広間から出ていく彼女のカッコいい事。
あのシッマでさえポカンと口を開けて彼女をみてた。
俺が立ち上がれば、皆俺の能力を知っているから邪魔しようとする奴はいない。
広間を出たら、すぐそこに困り顔の彼女。
聞けば、部屋が分からず聞きに戻ろうとしてたとか。
あんだけ自信満々に出て行ったくせに。
俺を見て安堵する彼女に、思わず笑ってまう。
階段を上へ上へとのぼる。
グルちゃんが彼女の為に用意したのは、見晴らしの良い部屋だった。
階下へ行くには幹部の私室を通る必要があり、通れば必ず誰かが気付く。
鳥籠として利用するにはもってこいの部屋。
閉じ込めたくなる位に気に入ったのは、彼女の能力か、それとも…
『案内して頂きありがとうございました』
os「大丈夫やで。それよりも…」
部屋についた事で、拒絶の言葉を向けられる。
ただ、ここで戻っては俺が来た意味がない。
os「Aちゃん、俺の目を見て？」
不思議そうな表情を浮かべながらも、素直に俺の目を見詰める彼女。
光を灯す黒い瞳。
1秒、2秒、3秒…
彼女の瞳から光が消える。
虚ろな彼女へ、質問を投げ掛けた。
os「何を嘘付いてるん？」
俺の質問には何人も黙秘できない。
彼女もそれは同様で、静かに口を開いた。
『ここへ転生した理由』
os「転生してきた理由って何？」
『男運の克服の為』
os「…は？」
俺の能力。
3秒見詰め念じる事で、俺の質問に嘘なく喋らせる事が出来る。
ただ、能力が上手く発動してないんか。
想像してた斜め上の答えが返ってくる。
os「男運の克服って何？」
『男運が無いせいで9回死に、これが10回目の転生。幸せな恋愛をする為の転生』
何そのくだらない理由。
俺が何も質問していないのに、彼女は言葉を続ける。
『って言われたけど。私はもう恋愛なんてしない。恋愛のせいで何度も死んだなら、恋愛なんてしなければ良い』
os「…ふふ」
外交担当として便利な能力で何度も使ってきたけど。
こんなに面白いと感じた事は初めてだった。
os「Aちゃん、甘いものは好き？」
『はい』
os「今度一緒に食べに行かない？」
『嫌』
その返しに思わず声を上げて笑った。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
