赤に踊る【ONEPIECE】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,546 hit

始まりページ3

私が何をしたって言うんだ､私の何が悪いって言うんだ。死にたくて死にたくて人を殺して､それでもいつも死ねなくて､それならみんな不幸になればいいと思ったのに。

持つものこそ不幸になりたがる
持つものこそより貪欲に欲する

今この手に流れる他人の血も､流れなくて良かった血
誰かの権力の為にひねり潰された血

考えても仕方ない。でも今日は無性に殺してしまいたい､死体をめちゃくちゃに切り刻んで踏み滲んで足蹴にしてそれでも拭えない苛立ちを裏通りのゴミ箱に当てつけた

「私だ､始末は済んだ」

「それなら1度こちらへ来てもらおう」

「おい！話が違うぞ！！」

くそ､だから海軍なんて嫌いなんだよ。
それでも今日は確か七武海会議､私1人を捕まえるより厄介な七武海に警備は手薄のはずだ､目当ての奴を見つけ報酬を頂いて殺していこう。
いいように使うくせに私を賞金首にしやがって､あのクソたぬき。嬲り殺しだ

真っ暗な夜､音が死んだ深夜2時
一切の音を立てずに月の明かりに照らされて一人の女のシルエットが浮び上がる

「あァ遅かったじゃないか､待ちわびたぞ」

＿＿＿A

その瞬間男の首はあらぬ方向に曲がった。、、それでも息はしている､喉が死んだ｡声が出せない､苦しむ顔と対称的に月に照らされた美しいその無表情はいつの間にか高級チョコレートでも目にしたかのような乙女の顔になっていた

「私の名を気安く呼んでくれるなよ？」

「あァ話せないのか､悪かったなァ」

「助けも呼べない､声もあげれない」

＿＿＿さァ2人でパーティを始めよう？

爪を剥いだ､指を折った､髪を抜いた､骨を折った
意識が薄れるものなら覚醒させ､ゆっくりと労わるように嬲り殺した

「醜い豚もストレス発散の遊具には丁度いい」

元の無表情に戻った女は真っ赤になったその部屋を来た時と同じように窓辺から立ち去った

夜に紛れる真っ黒なドレスと真っ赤なヒール
黒く艶のある長髪を靡かせ歩く様はどこかの貴族のように凛々しく品があり美しかった

その手から零れ落ちる「赤」を除けば

そんな姿を窓からじっと眺める男が1人
彼もまた孤独で貪欲で愛に飢えた､狂人だ

何かを感じとった女がそちらを向き、目が合う

距離はある､暗闇の中､それでも引き付け合う2人の中の狂気が混ざりあった時。

混沌とした世界の歯車は一つ一つ折れて､やがて破壊へと導かれる。

幸福という名の終焉を､破壊という名の夢の元

実現する日も近い