第三百十五話 ページ25
真兄の病室に着くといつもと代わり映えのしない病室が広がっていた。
聞き慣れた機械音……。
それだけが真兄が生きていることを教えてくれる。
『真兄……。』
私は、そっと細くなった真兄の手を握り
『イザナがね……友達を守るために死んじゃった……。私……イザナを救えなかった……。』
話しながら涙が溢れ出す。
そんな私の背中を優しくさすってくれるマイキー。
『イザナは……大事な仲間を見つけて……幸せだったのかもしれない……。もっと……気にかけていれば……別の道もあったのかもしれない……。』
拭いきれない後悔……。
それが沢山溢れてくる。
懺悔のように……真兄に話していると
真「……気に……すんな……。」
と掠れた小さな声が聞こえてきた。
バッ！
私もマイキーもその声に真兄を見た。
真兄は、うっすらと目を開けて
真「……大きく……なったな？」
と言った。
『真……にぃ……。』
私とマイキーは、慌ててナースコールを押した。
看〈はーい。どうされました？〉
万「『兄貴が/真兄が目を覚ました！！』」
私たちの言葉に慌てて看護師や先生たちがやってきた。
立て続けに起きた奇跡のようなこの出来事に私もマイキーも心がすーっと軽くなるような感覚があった。
もう、あの黒いものに飲まれることは無いだろう……。
そう心で感じていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミニオン(プロフ) - 鈴華さん» コメント残していただいてありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです(*´ `*) (8月28日 17時) (
レス) id: 3c7e9e65de (このIDを非表示/違反報告)
鈴華(プロフ) - もうほんと神作品でした泣泣ありがとうございます！！ (8月28日 15時) (レス) @page34 id: 46cef2995c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミニオン | 作成日時：2025年7月14日 13時
