隣の家のお兄ちゃん～Ren.N～ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:34,147 hit

episode6 ページ6

廉兄と二人きりで帰路を歩く。
小学校の時も、中学校の時もずっとこうやって一緒に帰っていた。

チラッと横目に見える廉兄は、前までは私とさほど身長に差がなかったのに、今では私よりも背が高くなっている。

「A、友だちできた？」

「うん！さっきの紫耀くんと、夕って子」

「あー、あの声たっかい女の子？」

「そうそう！趣味も合うし、すぐ仲良うなれたよ」

「そっか。ええ友だちできてよかったやん」

廉兄の大きくて温かい手が私の頭に置かれる。
嬉しい気持ちと同時に、なにか複雑な感情が渦巻く。

妹扱いされて嫌なわけではないけど、女として見られていないのかという絶望感がある。

「やから、もう子供じゃないねんって！」

「何やねんお前、反抗期かー？」

「ちゃうわ！その……もうちょっと大人の扱いしてほしいってことや」

「はぁぁぁ？クソガキがなに言ってんねん」

「クソガキやないわ！」

そんな言い合いをしているうちに、家の前についてしまった。

「んじゃ、また明日な。寝坊したら承知せんからな？」

「この私が？寝坊するとでもお思いで？」

「思っとる」

「おい」

じゃあな、と手を振って廉兄は家の中に入っていった。
名残惜しさを感じながら、私も玄関の扉を開けた。