隣の家のお兄ちゃん～Ren.N～ (ページ4)

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episode4 ページ4

入学式も無事に終わり、ぞろぞろと教室に戻る。
少し緊張も解けたのか、皆近くの席の人と喋っている。

「大宮さん、大宮さん！」

「え、はい！どないした？」

「うち、蒼生(あおい)夕(ゆう)！よかったら、友だちならん？」

「私なんかでええんやったら！夕って呼んでもええ？」

「全然オッケー！うちも呼び捨てで呼んでええ？」

「もちろん！」

黒髪ショートカットの、少し高めな声が特徴的な夕。
同じ中学の人が誰もおらず、心細かったとのこと。

自分と同じ境遇に親近感を覚え、仲良くなるのにそう時間を必要とはしなかった。
趣味嗜好も似たようなもので、気の合う友だちができて凄く嬉しかった。

その後、重岡先生からの話が少しあっただけで、すぐに下校となった。

夕とも別れ、3年生の教室を覗く。
3年生もHRを終えたようで、帰り支度をしている途中だった。

玄関で一人廉兄を待っていると、後ろから誰かが近づいてくるのがわかった。

「紫耀くん？何してんの？」

「もぉ～！驚かそうと思ったんに何で振り向くん？！」

「やって、誰かおる気配がしたんやもん」

「何やそれ……てか、Aちゃん誰か待ってんの？」

「うん、永瀬廉って人。紫耀くんも誰か待っとん？」

「おん、小瀧望って人。知らん？」

「あぁ～……聞いたことある。廉兄がよう話してん」

紫耀くんと駄弁っていると、背後から聞き慣れた声がした。
ばっと振り返ってみると、廉兄と小瀧望と思われる人が此方に近づいてきた。