伊作 ページ31
【伊作side】
善「、、、ふぅ」
僕は忍術学園内で不運大魔王と言われるほど不運だ
毎日毎日襲いかかってくる不運にはさすがに15年も生きていたら慣れてきたと言えば嘘ではなかった
けれどさすがに今回のは15年間で1番堪える不運だった
善(まさか聞いてしまうとは、、)
僕は委員会活動中にひとつの落とし穴を見つけた
特に助けを求める声も聞こえなかったがもしものことがあればいけないと思い、穴に近づくと中から話し声が聞こえてきた
咄嗟に僕は気配を消し、穴から距離をとった
耳をすまして聞いてみると中から聞こえてくるのはAちゃんの声と竹谷の声だった
こんな狭い空間で何をしているのかと気になったが、そんな些細なことを吹き飛ばしてしまうような内容が耳に入ってきた
僕はこれから起こるであろう出来事にできるだけ耳を貸さないようにその場からすぐ離れた
僕は最後まで聞かずとも結果は分かりきっていた
竹谷はAちゃんのことが好きなんだということとAちゃんも竹谷のことが好きだということが僕には不思議とわかっていた
けれど竹谷には譲るつもりはなかった
譲るつもりはなかったけれど無理やりAちゃんを僕のものにしたかった訳でもない
僕はAちゃんの気持ちを大切にしたかった
そんなことは頭で理解しつつもやはり心はそうはいかなかった
とてつもなく体が重たくなったような気がした
善(このことを知ったら留三郎は僕と同じようになるのだろうか、、)
穴の中での話の内容を知った級友の顔を思い浮かべた
乱「あ、伊作先輩!やっと見つけました!」
善「あぁ、乱太郎そんなに急いでどうしたんだい?」
乱「どうしたも何も伊作先輩、すぐに帰ってくると仰っていたのになかなか帰ってこないから心配して探しに来たんですよ!」
善「もうそんなに時間がたっていたのかい?ごめんよ」
乱「もうっ!学園中走り回ったんですからね!」
乱太郎は腰に手を置き頬を膨らませている
乱「あれ?伊作先輩なんだか元気がありませんね、何かあったんですか?」
そういい乱太郎は伊作の顔を伺っている
1年生にも見破られてしまうほど今の自分の顔は酷いのか、と伊作は驚きつつも笑顔を無理やり取り繕い、
善「ううん、なんでもないよ医務室に戻ろうか」
そう言い、医務室の方向へ歩き出した
乱太郎は先輩の背中がいつもより小さくなっているような気がした
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もんちゃん - まさか...まさか!!気づいちゃう!!竹谷先輩夢主ちゃんの事好きって気づいちゃう!?夢主ちゃんもつられて顔が赤くなって欲しい!! (2022年11月24日 19時) (レス) @page26 id: aa9892df77 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私もじゃんじゃん物語を進めていけるようにしたいと思います! (2022年10月31日 8時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - クッソ。まさかのまさかの伊作君も狙っているとは!!八!!早くしないと夢主ちゃんを取られるぞ!!てか早く八と夢主ちゃんくっついて欲しいんだけど(願望)切実に (2022年10月23日 22時) (レス) @page21 id: 46474643e9 (このIDを非表示/違反報告)
renako4649(プロフ) - もんちゃんさん» コメントありがとうございます!私も可能な限りじゃんじゃんお話投稿していけるように頑張ります! (2022年10月3日 0時) (レス) id: a270f1a7f3 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - 初コメ失礼します!!これが両片想いって奴ですね。早く八左ヱ門と夢主ちゃんくっついて欲しいですね!!! (2022年10月3日 0時) (レス) @page17 id: 20e58f2ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:線香花火 | 作成日時:2022年8月24日 19時