6話 「どうせ明日も来るんでしょ」 ページ6
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「おい、なに怪我させてんだ」
「だって釘崎が捕まえろっていうから!!」
「はあ?!人のせいにすんな!!」
僅か数秒掴まれただけで右手首が真っ赤になり、
まだ空いている保健室に行って氷をもらいそれを
当てている。
ていうかこの三人うるさい。
転入したらこの三人と同じ学年とか嘘でしょ。
てか喧嘩してるなら帰れ。
本当まじで早く帰らせて。
「喧嘩してる暇があるなら他所でやってくれる?
ここ学校の前だから」
「あーごめんごめん!喧嘩とかしてないって!
あ、こいつらは…」
「伏黒恵と釘崎野薔薇。入学してからほぼ毎日
あの人がここに来ては一方的にあなた達のことを話してるから知ってる。」
「あの人、余計なことしか話してなさそうだな」
「でも私らはあんたの名前と入学辞退者ってことしか知らないんだけど」
「私は転入できない。以上、それじゃあ私___は…ッ‼」
裏門から約二十メートル先の自動販売機の下に手を入れている小学生の後ろで小学生に手を伸ばそうとする男がいた。
「あ、おい!!待て!!」
そんなの聞いていられるか…!と全速力で
自販機まで走る。
幸いなことに男は目の前の小学生を捕らえることに夢中なのか向かって来る私に気づいていない。
____馬鹿でよかった
「そのまま伏せてなさい‼」
「え…」
ようやく、男が"蹴りかかる私"に気づき、
男と目が合う。
瞳孔が開き、何が起きているのか分からない
顔だったが、すぐにその目は閉じられた。
十分も経てば目を覚ます。
未遂とはいえ、警察に突き出さないと。
…めんどくさいな。
チラリと自販機に目を向けると小学生の女の子が私をじっと見ていた。
「あなたね、知らない大人に話しかけられて何か頼まれても無視しないと駄目。いつでも誰かが助けてくれるのは限らないんだから。」
「あ、ありがとう…お姉さん…」
「ほら、分かったなら早く帰る。もう遅いんだから」
「うん!分かった!ばいばーい!」
小学生は私が見えなくなるまで手を振っていた。
まったく…無邪気だな、子どもは…
____私が嫌いな人間にはならないでね
後ろを振り返ると追ってきた三人と目が合う。
「ねえ、そこの男、警察に突き出しておいて。
私早く帰りたいから。怪我させたんだからしてくれるでしょ」
「え、ちょ、待ってって!」
「どうせ明日も来るんでしょ、なら明日にして」
早く帰らないと、色々うるさいから。
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えむむ(プロフ) - あいりさん» あいりさんはじめまして!コメントありがとうございます!!そう言って頂けるととても嬉しいです!頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - さわりにゃんこさん» さわりにゃんこさんコメントありがとうございます!!本当ですか!嬉しいです、、、そうですね!私も一年ズ、二年ズに夢主を絡ませたいです! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - シノンさん» シノンさんコメントありがとうございます!そう言って頂けるとモチベが上がります!更新頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 初めまして!いつも通知がきて嬉しく読んでます!!勧誘成功してからのお話もとっても読みたいです!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 209cc63d47 (このIDを非表示/違反報告)
さわりにゃんこ(プロフ) - いつも通知が来るたびワクワクしながら読んでます。続編は読んでみたいですね!五条先生との絡みもですが1年ズ以外にも2年ズとかとの絡みも気になるので! (2020年11月28日 18時) (レス) id: a346737382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむむ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年11月23日 19時