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枝豆をつまむ男の隣でぐいっとビールを胃に流し込んだ。
そして気がついた頃には、軟骨の唐揚げに枝豆の皮が置いてある。
そんな見慣れた光景。
『…結局、山田くんクビになっちゃったね、』
廉「納得いかへんけど、俺らにはどうしようもできないもんな」
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『……結構、好きだったんだけどなぁ』
廉「え、」
『あほ、恋愛感情な訳あるか』
帰り際に見えた、荷物をダンボールに詰めて悔しそうに唇を噛み締める山田くんの顔。
彼がそうなってしまった理由は圧倒的に課長絡みなんだろうけど、
……私たちも彼を見過ごしていた加害者であって
どこか、いたたまられない気持ちになる。
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でも、私達に何が出来たと言うんだろう。
何かしてあげたとしても見返りがあるとは限らない。
女に厳しいこの社会で生き抜く術は、無難に仕事をこなすこと。
…それだけでいい。
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廉「でも、自分より劣ってる人を見るとちょっと安心せえへん？」
『うわ、最低。
…でも、ちょっと分かる気がする。それで安心感を得る人はいるよね』
廉「あいつクビになったから、あいつが持ってた仕事が回ってくるよな」
『…きっつ、』
いつの間にか、話しているうちに2人の前には空になったジョッキと枝豆の皮が入ったお皿が並んでいる。
少しだけど、酔いが回り始めてなんだか頭がぼーっとしてきた。
『そろそろ新人の子たちも慣れてきたから全部こっちじゃなくて少しはバラけるでしょー、』
廉「まぁ、そうやな。
…思ってたよりも、磯辺は仕事早いし乞うご期待やな」
『廉にそっくりじゃん笑』
廉「はぁ？あんなのと一緒にすんなや。
…それはそうと、岸はどうなん？」
『相変わらず出来る子だよ。
彼の人柄のおかげもあって人望も厚いから、よく手伝おうかって話しかけられてるのは何回か見る』
岸くんは人の懐に入るのが上手だと思う。
馴れ馴れしすぎず、敬意を払いながらも相手を上げる話し方。
担当する取引先でも、会社伝いで岸くんの名前が出ることがよくあるみたい。
さっそく後輩に抜かされる私らってどうなんだろう…、
『岸くんたちに負けないように、私らも頑張るぞー』
廉「おー」
お互い棒読みで緩々の気合いを入れ、手際よく会計を済ませた。
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はる - とても面白くて一気読みしていました！続きが気になるので、宜しければパスワードを教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします！ (2021年6月24日 1時) (
レス) id: 8cb2e2585a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 『殻を知らない蛇は』を読んで、とても面白いなと思ったのでこちらの作品も読ませていただきました！続きが気になるのでパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします！ (2021年6月22日 21時) (レス) id: 22c18f65d8 (このIDを非表示/違反報告)
sweetlarme(プロフ) - Rieさんのお話どんどん続きが気になって一気読みしちゃいます。続きが読みたいので、良ければパスワードを教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2021年6月3日 23時) (レス) id: cc4072ce2b (このIDを非表示/違反報告)
かに(プロフ) - パスワード教えていただきたいです！ (2021年6月2日 19時) (レス) id: 0501681899 (このIDを非表示/違反報告)
An(プロフ) - Rieさんの世界感とっても好きです。宜しければパスワード教えて頂きたいです。続きがとても気になってます、、 (2021年6月2日 18時) (レス) id: 9f0db7920c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rie
| 作成日時：2020年1月17日 0時
