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「…ここか。」
　



校門の前からすでに荒れてる。

新入生に絡んではくだらない先輩風吹かせて、
みっともない。




私、火神A、今日から市松高校に通います！

ヤンキーとかケンカとか興味ないけど、
私はどうしても市松に通いたかった。


　

「もう来てるかな、直樹くん。」




足早に校門をくぐると

　


「あれ〜！？ ねえちゃんかわいいじゃん！」

「新入りだろ？俺たちが市松を教えてやるよ〜！」



下心丸出しの男たちが3人。

囲んで腕を掴んできた。




初日から勘弁してよ…




「…人を探してるので、離してくれますか？」



睨みつけて、掴まれた腕に力を入れた。




「え〜、つれねーなぁ〜！」

「俺たちと遊んだ方が楽しいっ…
　いってぇな！なんだよお前！！」


　

「…汚ねぇ手で触ってんじゃねーよ。」




聞きたかった声が聞こえたとたん、
周りにいた男たちが視界から消えた。



「連絡しろよ、A。」

「直樹くん！」



見えたのは、めっちゃ不機嫌な顔をしている直樹くん。



「雑魚くらい、触られる前になんとかできんだろ。」

「だって、まだ声かけられただけだし…」

「…ったく、お前危機感持てよ。」



呆れた顔で自分の首元を擦ると
私の手を取って歩き出す直樹くん。


「ふふっ、助けてくれてありがとう。」

「A、俺から離れんなよ。」

　
　
　




私が市松を受験した理由は、直樹くんがいるから。
まあ、反対されたけどね。

ケンカはそこそこできるけど
ゴリゴリのヤンキーではない私が
市松に通うことは心配らしい。

でも、できるだけ近くにいたかったし
危ないことには関わらないって説得したら、
折れてくれた。


俺がそばにいるからって。

　
　
　



「直樹くん、改めて今日から夜露死苦ね！」


「頼むから大人しくしてろよ…」

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