Sincere love*076 ページ30
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「な、んで系さ…帰ったんじゃ」
「帰るかクソ、あんだけ一方的に悪口言われたんだ。少しは俺にも言わせろ」
「じゃあアパートのとこにいてくださいよ!怖かったんですけど!!ていうか悪口ならいつも言ってるじゃないですか、クソって」
「それ口癖だ、悪口じゃない」
「何言ってんですか悪口ですよ、そんなんだから口が悪いって言われるんですよ」
そこまで言ってはっとする。口を滑らせたようだ。
案の定目の前に立つ彼の目は鋭い。
「あっ、あ〜疲れたなぁ。今日は寝なくちゃ〜、じゃあ失礼しますね」
愛想笑いを浮かべてバイクにまたがろうとすると、腕を掴まれてバランスを崩し彼の胸の中へ。
「逃がすか」
ヘルメット越しに聞こえる彼の声はいつもより優しく聞こえる。
久々に彼に抱きしめられて恥ずかしいけれど、ヘルメットがあればいつもよりもマシだなと思っていたのに
「あっ」
「なんだ、こんなの邪魔なだけだ」
「そうですか…」
強引な彼に外されてしまった。
「それで、誰に口が悪いって思われてるんだ」
抱きしめられたままの状態で聞かれる。逃げられないから答えてしまえばいいのに、そうしては六郎の命を売ったことになりかねない。
「さ、さぁ誰でしょうね」
分かりませんとはぐらかせば「言え」と耳元で言われる。それがくすぐったくて「んっ」と声を出せば「感じてんのか」と笑われた。
「そんな分けないでしょ!!!!やめてください!」
バタバタと彼の腕の中で騒げば「久部か」と彼は言った。
「え?」
なんでわかったのだろうと彼を見上げれば私を見ずに言った。
「名前で呼んでただろ、アイツのこと。どういう関係だ」
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青龍 葵(プロフ) - 誤字でしょうか?P58の最後、六郎の家にて「一人のの重みがなくなったソファに…」の「一人のの重み」→『の』多いのでは?一度、確認してみて下さい! (2018年3月22日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい申し訳ありません!!面白いと言って頂ける作品をお届け出来て良かったです。続編の方もよろしくお願いします! (2018年3月22日 0時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 面白かったです!続き、お待ちしてますね|´-`)チラッ (2018年3月21日 12時) (レス) id: a9d8810827 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - ぷりんさん» プリンさん!!!!!!私の記憶にはしっかりと…。感動的な終わり方と言っていただける作品を作ることが出来て本当に良かったです!私の文章が好きだなんて私には勿体無いお言葉ですが、支えにこれからも書かせていただきますね(;_;) (2018年3月21日 10時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
烏龍茶(プロフ) - しばさん» コメントありがとうございます!涙を流していただけるなんてホントになんだか書いてよかった!と思いました!なんて嬉しい言葉ばかりくださるんですかね…(*´-`*)続きも新作もお待ちください、ぜひこれからもご愛読いただければと思います! (2018年3月21日 10時) (レス) id: 574d66a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:烏龍茶 | 作成日時:2018年3月18日 19時