月恋 第103話 「甘くない」 ページ9
「じゃあ、行ってきます!!」
「おう、気をつけて行けよ!」
卯月さんを起こすのに手間取って、そろそろ学校に向かわないと遅刻してしまう時間になってしまった。
そのため、後の皆さんは黒月さんに任せ、ダッシュで学校に向かう。
実家と学校が関西にある長月さん、葉月さん、郁兄は今日１日休みを取っているらしいが、今日の11:00の新幹線に乗って帰るため、今から起きないと間に合わない。
それは丁度起きてきた文月さんが慌てて起こしに行ってくれたから問題ない筈だ。
皆さんが学校に間に合うことを願いながら、自分も学校へ。
チャイムが鳴るか鳴らないか、ギリギリの時間に教室へと滑り込みセーフ。
先生には事情を話して、特に怒られることもなく、授業の途中、まだ疲れが抜けきっていなかったのか、うつらうつらと船を漕ぎ、ついつい眠ってしまいそうになったが、特に大きな問題も起こらず平和に1日が過ぎていった。
学校が終わってからは、背の低い人でも似合うオシャレコーデ、と言う題材のファッション雑誌の撮影を行ってから帰宅。
「緊張したー」
ボフッと音を立てて、プロセラの共有ルームのソファへと倒れ込む。
初めてファッション雑誌のモデルとして仕事をした。ファッションモデルと言うのは用意された服を着て、カメラマンさんから指示されるポーズを取って写真に写る仕事だとばかり思っていたが、実際はもっと大変。
指示されるのを待っているだけではなく、自分でポーズを考えながら写真を撮っていく。それがもし、今回の雑誌の担当者さんのイメージと合わなければ撮り直しである。
ポーズを考えるだけでも大変だと言うのに、その立ち姿と表情の変化により自分をどれだけ可愛く見せれるか、自分が着ている服をどれだけ魅力的に出来るかが変わってくるのだ。
「簡単そうに見えて、実は結構難しい仕事って一杯あるんだなァ」
初めて体験する仕事にタジタジ。イメージしていた物より遥かに難しくて、自分がどれ程、芸能界を甘く見ていたかを実感させられる。
それに、季節を先取りした格好をした撮影だったせいか、すっかり体が冷えきってしまった。まだ5月中旬、流石に夏服は寒かったし、撮影したスタジオが涼しすぎた。
だ、誰か冷房の温度上げてー!と心の中で叫び、鳥肌が立つのを必死に押さえながらカメラにしっかり視線を向けていた自分を自分で褒めつつ、温かいお茶を淹れようと立ち上がった時だ。
愛さんの歌の着メロが携帯から鳴り響いた。
月恋 第104話 「明後日の方向」→←月恋 第102話 「奥ゆかしき」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
