月恋 第96話 「ハングリー精神」 ページ2
「Aちゃーん、それ終わったら、次はこっち手伝って!」
「はーい!」
睦月さんに謝ってから、文月さん、隼兄、弥生さんの順にお礼を伝えた。その後はスタッフとしてセカセカとライブの後片付けを手伝っていた。
会場のゴミ拾いから機材の片付けまで手伝い、漸く会場内がスッキリしだした頃、もう上がっても良いと許可が出され、私は皆さんが居るであろう控え室まで足を運ぶ。
扉をコンコンッと軽くノックして、中から「はい、どうぞー!」と言う如月さんの声が聞こえてきてから控え室へとひょっこり顔を覗かせた。
「皆さんお疲れ様でした!」
「Aも裏方スタッフのお仕事お疲れ様! どうだった? 俺達のライブ!」
「とっっっても素敵でした!! 私も早く、皆さんと同じ舞台に立てれる様になりたいなって思うくらい凄かったです」
「でしょでしょ!!」
ライブが終わり、疲れているはずだと言うのに如月さんは何時もと変わらぬハイテンションで私にライブの感想を求めてくる。
スタッフとして働いていた私もかなりの疲労が溜まっているのに、何故彼はこうも元気なのか。その元気は何処から来ているのか、今なら聞かなくても分かる気がした。
他の皆さんも、全力を出し、やりきった顔をしているのに何処か物足りなさそうな、歌い足りなさそうな表情をチラホラ覗かせているのだ。
きっと、ファンの皆さんから元気を貰い過ぎて体力が余っているのである。
「俺達、これからグラビとプロセラで打ち上げに行くけどAはどうする?」
矢張り、アイドルとしての皆さんも凄いけれど、そんな皆さんの力となっているファンの皆さんも凄いなと肌で実感していると、師走さんに打ち上げのことを問い掛けられた。
今日はスタッフさん同士、グラビ、プロセラ同士だけの打ち上げ。明日はスタッフさんとグラビ、プロセラを混ぜた打ち上げと分かれているらしい。
勿論、明日の打ち上げには参加させて貰うが今日はグラビとプロセラ、ステージに上がった皆さん達だけの打ち上げだ。流石に其処は私が邪魔してはいけないだろうと、断ろうとした時である。
「Aも焼き肉、行こ?」
「おー、来い来い! 男だけじゃ華がないからな! 焼き肉食べ放題だぞ!」
「………焼き肉、食べ放題!」
ぐーきゅるきゅるきゅる、涙兄と文月さんの焼き肉発言に私の腹の虫が大きく反応したのだった。
―――腹の虫よ、空気を読んでくれ!
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櫻餅(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが頑張ります。これからもこのお話を宜しくお願いします。 (2018年3月21日 12時) (
レス) id: eb7f0e71e0 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - 続編おめでとうございます！これからの夢主ちゃんの成長が楽しみですね！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2018年3月21日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2018年3月13日 2時
