羨ましい光景 ページ5
「俺、一十木 音也、よろしくね!」
太陽みたいに明るく、春風の如く爽やかな笑顔を浮かべる一十木先輩
「一ノ瀬トキヤです。」
それとは正反対な真面目なオーラを醸し出す一ノ瀬先輩。
「僕、四ノ宮那月です! Aちゃんって、小さくて可愛いですね〜。」
物腰柔らかな口調と、フワフワと綿菓子の様な雰囲気が特徴的な四ノ宮先輩。
「俺は神宮寺レンだよ。よろしくね、子虎ちゃん。」
とても気さくなフェミニスト、と言うより只単にチャラい神宮寺先輩。
なんだか、私の再従兄弟の一人と面影が重なって寒気がする。
「聖川真斗、これから苦労も多いだろうが、俺達を気軽に頼ってくれ。」
堅苦しい挨拶に、本当に最近の若者なのだろうかと疑う古風な喋り方をしたのが聖川先輩。
「俺は来栖翔、真斗の言う通り! じゃんじゃん頼ってくれ! 俺様がいつでも力になってやる。」
小柄で可愛らしく、お洒落な見た目とは裏腹に俺様キャラで強気な来栖先輩。そして最後―――
「ワタシは愛島セシル。困った事があったら、いつでも言ってください。センパイとして、何でも教えてあげます!」
片言が目立つのは褐色の肌を持った、愛島先輩。見た目からして、恐らく外国の方だろう。
「以上がST☆RISH だ。そして、此のメンバーの作曲を務めるのが―」
日向先生の紹介と共にひょっこり私の前に現れたのは、さっきの女の子。
「な、七海 春歌です! よろしくお願いしまひゅって、あ!」
緊張した趣で挨拶したは良いものの、最後に舌を噛んでしまい小さく悲鳴を上げて口元を、恥ずかしげに押さえる姿は控え目に言っても天使。
私の好みドストライク。
男の子の夢を詰めたかのような、大変愛くるしい人だ。さぞかしおモテになるのであろう。
「アハハッ、七海ってば緊張しすぎ。」
「すみません。」
小さく縮こまってしまう春歌先輩。それをすかさずフォローする様に――
「そんな気にする事無いって、七海は俺達とは違って、人の前に立つ事なんて中々無いんだからさ。」
来栖先輩が彼女の傍へと駆け寄る。そしてそれを合図にして、ST☆RISH の皆が彼女に声を掛ける。
その仲睦まじい光景が大変微笑ましくも、羨ましくも思えた。
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年5月29日 10時