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夢のような ページ31

「い、良いんですか?!」

 プロセラの新曲を作って欲しいと言う夢のような依頼に、私が今居る場所が狭い車だということを忘れて隼さんに詰め寄る。

「勿論だよ。」

 ニッコリ、そんな効果音がついてきそうなほど良い笑顔だ。

「あ、でも社長の許可とかが………」

只でさえ、ダイコク・プロダクションとブレイヴ・エンタテイメントと言う他の事務所のバイトを特別に許可してもらっている。

その上、まだ自分が担当するアイドルグループの曲を満足に完成する事が出来ていないのだ。他の事務所のアイドルの曲を作らせてほしいなんて言う我儘、通してもらえるわけがない。

「それは大丈夫。もう許可貰ってあるから。」

 隼さんはニッコニコの満面の笑みを絶やさず、私にスマホを見せる。

「えっ?!」

其れを見た私は只々、驚くしかなかった。

ディスプレイにはシャイニング早乙女という名前と、「何事も経験デース!」と独特な文面が写されていた。

 流石は社長、懐が深いというか、自分の事務所に所属するタレントや作曲家には甘い様である。

「作ってくれるかい?」

「も、勿論です!」

 私はずっと好きだったプロセラの新曲を作れるだなんて、これほど嬉しいことはない。

私は目を此れでもかと言うほど見開きながら、隼さんに頭を下げる。


 カルテットナイト、彼等の曲作りが上手くいっていない事を現実逃避するかの様に、私はプロセラの新曲作りを引き受けた。

 ワクワクと心が躍る反面、私は本当にこれで良いのかと言う疑問が頭から離れなかった。

もう、死んでも良いわ→←お願いがあるんだよ



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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年5月29日 10時

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