検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:209,047 hit

ちょっとそこに直んなさいよ!(笑) ページ16

「こんにちは、今日はQUARTET NIGHTさんの新曲の打ち合わせをしに来ました。」

 作曲家として名を上げるには、曲を作ってアイドルに歌って貰うしかない。

 私が担当する彼等の元へ足を運んだにも関わらず、矢張彼等は私を認めようとしない。

 私だって、やりたくてやってる訳じゃないんだけど。と半ば苛立ちながら、新曲案を脳内で作っていく。

 雰囲気がそれに感化されてか、ピリピリし始める。

 寿先輩も、此の静まり返った重苦しい雰囲気に思わず苦笑い。

 昨日はあまり良い顔をされなかったが、今日は根気よく彼等と関わってみようと試みた。けれど、初っぱなからその根気をへし折られそうだ。

「ごめんね、後輩ちゃん。」

「いえ、私も未だ未だ無名ですし、仕方ないです。」

 パッとしないのは彼等も一緒だと思ったが、下手に出るしかなかった。

 只、此のまま帰るわけにもいかないため、寿先輩以外の人達の様子を暫く伺い、そのイメージに合わせて何曲か作ってみることにした。だが―――

「何あれ……」

観察していくごとに、私がどうしても許せないものに気付いてしまった。

「あの、黒崎先輩。」

 ソファに寝転ぶ黒崎先輩の前へズカズカと近寄る。

「ンだよ。」

 迷惑そうな表情をされても今は気にしない。否、それどころではない。

「アイメイクしてますよね?」

「嗚呼。」

「下手くそ!」

「ブハッ!」

 思っていることを大声で、しかも堂々と言ってやった。そして寿先輩に勢いよく笑われた。

「ちょっと、何なんですかこれ。肌荒れますよ?」

「は?!」

 私の突然の豹変に驚き、目を見開く黒崎先輩や美風先輩を余所に、私は遠慮なく彼の頬をグワシッと片手で掴む。

「このメイクの仕方! まるっきりなってない! お洒落に気を使うのも良いですけれど、これはない! 最悪! 肌荒れる!」

 こっちも昨日好き勝手言われているのだ。仕返しだと言わんばかりに駄目だし食らわしてやる。なんて、私は子供っぽい持論を持ち出し言葉を続ける。

「それと、これカラコンですよね?」

てっきり、オッドアイかと思っていたのだが、昨日の音済さんの瞳を見てから、彼の瞳を見て、何やら違和感を感じた。

「へェ、よく分かったね。」

 美風先輩に感心の声を上げられ、少しだけ動揺した。

美を追求するにあたって→←兄弟大集合



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年5月29日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。