【ツキウタ。】 月に恋せよ暦ガール

月恋 第8話　「見た目と中身のギャップ」 ページ9

質問タイムが始まり、芝居経験があるか、人前に出ることは緊張しないか、歌を何か此所で歌って欲しいと言われたり、多種多様な質問をされたが問題なく答えることが出来た。

因みに歌も勿論、愛さんのソロ曲を……と言いたかったが、如何せん。愛さんは声が高く、私は少し声が低い。だから爽やかで格好良い、Seleasの6月担当、照瀬 結乃さんのソロ曲を歌わせて貰った。

そして最後の質問。

「グラビ、プロセラ、Fluna、Seleasの中でファンの人は居ますか?」

　黒月さんにされた質問に、私は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせ、生き生きとそして受け付けで出会った美人さんの時と同様、堂々と答えて見せた。

「Flunaの如月 愛さんです!」

「女性でFlunaのファンは珍しいですね」

　月城さんが笑みを絶やさず、何処か感心したように呟いた。

「理由はありますか?」

そんな質問が他の審査員から飛んできた。

　それを私に聞いてしまうのか。私が愛さんの事について語り出すと長いぞ?前に友達に愛さんの良さを紹介をしたら、長いッとキレられた覚えがある。

「はい。Flunaの皆さんがデビューした当初、少し嫌な事があって落ち込んでいたんです。そんな時、愛さんのふんわり柔らかくて、辺りを和ませる様な優しい歌を聞いて感動したんです。それから愛さんのファンになったんです。何よりもあの、優しくて大人しそうに見えて実は芯のしっかりした一面があるだなんて凄く魅力的で―――」

「ああ、あの、も、もう結構ですよ」

　制御しようと思って結局止められず、苦笑いを浮かべた黒月さんのストップが入り、しまったと口をつぐんだ。

「これで面接は終わりです」

「有り難う御座いました。失礼します」

　やらかしてしまったと、反省しながら面接室から退出。

　結果は全員が面接を終わらせた直ぐ後に発表される事にっている為、待合室で反省しながら待つこと数時間、漸く結果が発表される事になった。

　このオーディションに参加した多くの女性が大きな一室に集められる。そんな中、真面目な表情を浮かべた黒月さんが目の前に立つ。

　黒月さんが室内に足を踏み入れた途端、さっきまでざわついていた辺りが静まり返り、周りから幾つもの心臓の音が響いてきそうな位だ。

　私の心臓も他の人達に負けず劣らずドックンドックン、ゆっくりだが踊るように飛び跳ねている。

　緊迫した空気が流れる中、黒月さんはそれに構うこと無く口を開いた。

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