月恋 第37話 「眼鏡=本体」 ページ38
「どんなアイドルになりたい?」
文月さんの言葉が頭から離れない。
そう言えば考えたこと無かったなと、車の中から見える景色を眺めながら思う。
よくよく考えてみれば、芸能界と言う、売れるか売れないかの厳しい世界の中で生き残るのは難しいのである。私はたまたま、運良くツキウタ。宣伝アイドルとしてデビュー出来て、仕事も少しだがある。
本来なら、コツコツ地道な努力と長い時間を掛けて仕事を貰うのだ。私は非常に運が良かったと言える。
だからだろうか。中々出ようとしても表舞台に出られない人達の事を考え、自分を見てくれる人達にも、こんな目標が自分にはある!と言うことが明確に伝わるようにしなければならないと思う。
けれど、私にはそれが無い。
愛さんに会いたい。只、それだけで私はアイドルになった。今、冷静になって考えてみればよくオーディションに合格することが出来たな。
恐らくデビューを果たし、ツキウタ。宣伝アイドルとして仕事が中々回ってこないのは自分の意識の低さと胸を張って言えるような明確な目標が無いからだ。
文月さんが言った通り、何か目標を持っていないと矢張りこの世界でやっていくのは難しいのだろうか。
色んな事を考えてみるも、直ぐには答えが見つからない。まあ、ゆっくりで良いかな。等と呑気に自己完結を果たした所で仕事場に到着。
今日、お世話になるカメラマンの方やスタッフさん達に挨拶をして、メイクを少ししてもらい衣装に着替えてから撮影開始。
「もうちょっと右に首を傾げてもらえるかな?」
カメラマンの方の指示に従って、ポーズを取っていく。只、今日のカメラマンさんは中々に個性的で出される指示がたまに抽象的。
「大人っぽい雰囲気出せる?」
大人っぽい雰囲気って、どうすれば出せるんですか? 胸ですか?! 身長ですか?! どちらも大きくすれば良いんですね?! ………どっちも出来るかい!!
と言う一人コントを心の中で繰り広げながら、向けられたカメラに目線を合わせる。
写真を撮る度に発せられる青白いフラッシュが眩しくて、目を瞑ってしまいそうだった。
撮影は順調に進み、一旦休憩。
「お疲れさま、Aちゃん」
「弥生さん?!」
休憩中、特にやることもなく椅子に座りながら水を飲んでいると、ニコニコ優しい笑みを浮かべる弥生さんが登場。
驚きのあまり、弥生さんの本体に飲んでいた水を吹き出すところであった。
―――――あぶないあぶない
月恋 第38話 「謎の包容力」→←月恋 第36話 「何気無い質問」
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櫻餅(プロフ) - snowさん» コメント有り難う御座います。少しでも共感して頂けて、大変嬉しく思います。これからツキウタ。メンバーと関わり、夢主がどんどん成長出来るお話にしていきたいと思っておりますので最後までこのお話にお付き合い願えたら嬉しいです。応援有り難う御座います！ (2017年12月21日 19時) (
レス) id: 5dfdc31c69 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こんにちわ♪最新話読みました。ちょっと、自分のことみたいにホロリとしました。ヒロインちゃんが無事に乗り越えてくれると信じてます。目標が早く見つかること、祈ってます。頑張って下さい！ (2017年12月20日 14時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 櫻餅さん» 待ってます。急激に寒くなりましたので、風邪など引かないように気を付けてください。 (2017年10月7日 1時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
櫻餅(プロフ) - snowさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！不定期更新ですが、頑張ります。 (2017年10月7日 0時) (レス) id: aab212b765 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - 初めまして♪楽しく拝見させて頂きました。愛ちゃんへの愛が溢れていて、素敵でした。更新、楽しみにしてます。これからも頑張って下さい!! (2017年10月6日 9時) (携帯から) (レス) id: bc61ae6263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻餅 | 作成日時：2017年9月19日 0時
