A/L 6

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車のライトが通過するたびに部屋が明るくなりすぐに暗くなる。


古びた窓



部屋のニオイはあまりよろしくないのは閉めたままの環境のせい




昭和の残物みたいな部屋の鍵




廊下を歩くのも聞こえてしまうくらい薄い壁




そんな場所




無数に存在するその部屋の1室




「なんで拒否しないん？」




俺の言葉に目の前にいる人は眉間にしわを寄せてかすれた声で言う。



「分からへん。」



「酒に飲まれた？」



「分からへん。」




触れた唇



漏れる息







酒のニオイで充満している中






相手を壁に押し付け……ただ……狂おしく求めようとしていた。






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30分前までは……フツウに話していた。




店を出て何ら普通に公園で少しだけ酔いを醒まして別れようとお互い思っていたに違いない。




―――――ママは何をみたんや





酔い覚ましの炭酸を飲みながら俺がそんな言葉を言うとベンチに座っているその人は息を吐き出す。





――――いろんなもの言うてたな、俺の時は



――――つまらないって



――――ほんまそれはちゃうで？




慌てた口調で言うけど、アイツからはゆうくんと過ごす時間は家族の事を忘れると言うてたから……つまらないとかはなかったんやと思う。いつか目覚める現実に戻りたくないと言うのが大きかった気はするんやけどな。





親から離れて……自由やったし。





――――大倉に対してもママの言葉、絶好調やったな



急に言われた言葉に俺は苦笑いをしてしまう。




あれ以降も色々言われたけど、正直覚えてない。辛辣と言えば辛辣、愛情と言えば愛情なのかもしれないけどちょっとばかり心の中を乱れさせられた気はする。






左手首が痛い。





ズキズキと脈を打ってくる



――――そこ割と頻繁に触るよな




――――え？





――――時計。昔っから触るなって気になっていたん。






――――あ……あぁ。癖で。



何が不安でこうなっているか自分でもわからへん






ただ……見せたくない部分を見られたそんな不安があるのかもしれない。





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