Ａ／Ｌ 4

159 ページ9

.


時折、彼女は兄と会いその時に必ずと言っていいほど写真を撮ってくる。それを俺に見せてくれる。
隠し撮りの写真まで


――――何の仕事しているん？



その質問をした時に彼女は少し悩んでから教えてくれた。



――――夜の仕事






敢えてその言葉を言うた時に何となく状況を把握した。






.


夜の仕事でも結構ディープな職種だって言うのは口調で理解。まぁ、何となく気になったからヤスに言うたら即答されたけど。

――――そっち関係の仕事って金ええの？



なんてわざとらしくヤスに言うたら大笑いして教えてくれたん。



――――金はええと思うで？指名料取れたらウハウハやって聞いたし。



意地悪い顔して言うねん。




良い所の息子がそう言う店で働いているって相当な理由あるよな。
なんて、思うたけど細かく聞くのは止めた。






――――ちょっとコンビニに買い物行ってくるから待っていてね。宅配も来ないから大丈夫かな？






なんて言うて彼女が出て行ったのは日曜日の夕方やった。




改めて１人でこの部屋で待つってなんか変な感じやなって思う。
部屋をうろうろするのも変やったからスマホを眺めている時にチャイムが鳴った。








最初は無視してたんやけど何度も鳴る。






宅配便にしてはしつこくね？






いや、その前に宅配は来ない言うてたやん。





仕方なく出るかって思うてドアを開けた。











.





――――遅くなってごめんね。もしかしてお兄ちゃん来なかった？





そんな言葉を言われて俺はどんな表情をしたか覚えてへん。






――――チャイム鳴らしたけど誰も出ないから帰ったってお兄ちゃんからLI〇Eが来てびっくりしちゃった。





――――スマホゲームしていて気付かんかった。





――――もし会ったらどうしようかと思っちゃった。





なんて言いながら彼女はキッチンに立つ。





――――お兄さん、ここに来たことあるん？




――――今日で2度目かな？こないだ預かったのを返して欲しいって来たけど次回にして。って、言ったの。





――――急ぎやないん？




――――うん、大丈夫。なんでもお客さんから貰ったのだから持って行った方が無難かなって思った
んだって。





笑って言う言葉に俺はつられて笑うしかない





――――そうなんや







.

160→←158

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す