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「信じなきゃええだけやん。」
「この人、少し前の茶会のお客様なんだもん。」
なにしてんの、マジに。バレバレな事して何をしたい？
「母さんは？」
「機嫌が悪い。」
「悪いだろうね、毎回こんなことされたら。」
「そうなの？」
「知らないのはお前だけやって。」
余りきつい事を言うと絶対ダメージ食らうのは分かっている。だからこそ、控えめに話すしかないんやけどこの手の話は非常に難しい。
「帰りたくない。」
「10代の子供ちゃうから好きにしてええと思うで？でも、ばぁちゃんとじいちゃんには話をつけておけばええだけやし。」
「うん……」
「じいちゃん、調子よくないんだろ。」
素直に頷く反応に俺はスマホをポケットに入れてから腕を組んでから言う。
「博ちゃんが早く引き継いでくれたらええんやけど若いからなぁ。」
伯父さんの息子、つまり次期家元はイトコの博ちゃんだと既に決まっている。が、数年前まで会社勤めしていてやっと家元修業を開始したってばぁちゃんから聞いたけどまだ無理なのは分かっている。
色々大変よな、あっちもこっちも。
「お兄ちゃんは……」
「ん？」
「お兄ちゃんはその……そっちの家の跡を継ぐの？」
「俺が？ないない。叔父さんがそのうち跡を継いで後は知らん。」
「でも……」
「別に代々その家の人間が継がなくてもええと思うで？俺はレールから外れているから話も来ないし、覚えも悪いから。」
なんて言い方をすると妹は小声で言う。
「お兄ちゃんのお点前は一番正確だった。」
今更なにを？なんて思うてしまうけど、妹なりの優しさなのかもしれへん。
アイツが生きていたら……少しは違っていたのか
なんて、思い出すのもおかしいけど。
「また、話に来てもいいかな。」
「仕事中でなければ。」
なんて言うてから部屋の明かりを消す。
ぱちん
スイッチを切った瞬間に抱きしめてくる
「お姉ちゃんはずるい。」
訴える視線
「はは……何言うて……」
「知っているんだから私、何もかも。」
「なにを知ってるん？」
微かに動く唇
告げる言葉はあの時、あの瞬間が俺を引きずり込んでいく
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――――ゆうくん
身代わりの行為
俺を見ない言葉
あれは全て……俺にとって無意味な行為
横山くんしか見ていないアイツの顔を見て何が幸せなんやって
惨めなだけ
苦しいだけ
自分から受け入れたのに地獄
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瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。嬉しい言葉です。中だるみするかな？そう思いながら日々更新しています。これからも宜しくお願い致します (2022年12月2日 16時) (
レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。わくわくが止まりません。 (2022年12月1日 17時) (レス) @page42 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。まだ続きそうなのですが、これからもお付き合いくださいませ。 (2022年12月1日 15時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - いつも楽しみにしています。話の展開がワクワクしてきました。これからもよろしくお願いします。 (2022年11月30日 19時) (レス) @page41 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年10月24日 16時
