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「数か月前。墓参りの時にたまたま。」
「そこから?」
「いや……」
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言葉を濁す。
無言の時間が過ぎ言葉を出したのはヒナからだった。
「元気だったか?」
俺は素直に頷く。
「なんでここから去ったんだろうな。友達だと思っていたのは俺らだけやったんかな。」
「いや……違うと思う。」
そんな言葉を言い俺は紙コップを握りつぶしてから、息を吐き出してから言う。
「イチからやり直している感じはした。」
「やり直し?」
「大倉の中で色々あったらしい。そこはちゃんと俺は聞いてへんねん。」
「そっか。」
「ただ……」
「こじ開けた。」
「こじ開けた?」
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俺は残酷な言葉をヒナに言う。
ヒナの表情は歪み大きく息を吐き出す。
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「マルに気づかれたら厄介やで?」
「隆平に?」
「マルは横山大好きマンやん。」
「その言い方。」
「大好きなのは、ほんまやん。」
「恋愛で好きなのか何が好きなのか全く分からへんけど、アイツの場合。」
「全部だろ。横山信者だし。」
きっぱり言う言葉に俺は盛大なため息をする。
「大倉との関係。マルの事だから何するか分からんで?」
「そこまで?」
「ヨコはマルの事を分かってへんねん。ヤスに聞いたら分かる……相当やばいって。」
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ヒナの言葉は確かや。
隆平は俺らと感覚が違う。
なんて言うか、斜め上を越えた性格を言っているのは確か。
ホストなんて慣れない仕事をした理由も分からへん。
その結果、病んだし今の仕事に落ち着くまではやばかったのはほんまや。そもそも隆平は俺のどこが好きなのかさっぱりでよくあわからんのもあるし、アイツを抱きたいとかそんな感情を今まで持った事もない。
だから、恋愛対象にもならんって事よな。
「またみんなでアホみたいに飲みたいな。」
動画を眺めて言うヒナの言葉はあの時間がほんまに楽しかったと俺に言うてる気がする。
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ぎこちない関係性で成り立っている俺ら4人にとって大倉と言う存在は大きなものだと改めて感じる瞬間なのかもしれへん。
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瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。嬉しい言葉です。中だるみするかな?そう思いながら日々更新しています。これからも宜しくお願い致します (2022年12月2日 16時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 毎日更新ありがとうございます。わくわくが止まりません。 (2022年12月1日 17時) (レス) @page42 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。まだ続きそうなのですが、これからもお付き合いくださいませ。 (2022年12月1日 15時) (レス) id: e0d9c8d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - いつも楽しみにしています。話の展開がワクワクしてきました。これからもよろしくお願いします。 (2022年11月30日 19時) (レス) @page41 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年10月24日 16時