20 ページ20
.
夜中から降り出した雨は止むことがなく朝まで降り続ける。
無数に広がる傘が色とりどりでまるで地面を彩っているように思えてしまうのは、そこまで高くない部屋から見ているせいなんかもしれない。禁煙ルームでないからありがたく煙草を吸い、外を眺めている時やった。
「先に出るから、チェックアウトよろしくね。」
背後から聞こえた声に頷くと満足そうに微笑んで部屋を出て行く人をガラス越しに見送る。
.
大事な顧客ですから言われたら何でもします。
――――仕事ですから。
.
なんて、言うたらカッコええけど実際は金の為。
現実はそんなもんで俺はスーツに入れたまんまのスマホを取り出して返信だけしておく。
店への報告は大事な業務、そこを疎かにしたら査定に響くやん。
なんとなく、今日は珈琲飲みに行きたかったんよな。
なんて思いながら作業部屋に辿り着いたらさっさと着替えていく。
カイと言う仕事名を脱ぎ捨てて本来の自分に戻る大事な作業を終えてビニ傘を持って地下鉄に乗り込む。
気が付けば11時近くてこんな時間に歩くのは久しぶりだなって思うてしまう。傘を差していつもの道を歩いて行くけど、シャッターが開いている状況を見るのはなんとなく変な感じで周りを見てしまう。
店の前に立つとそこにはマルちゃんはいなくて噂のオーナーと手伝いの人が２人おった。
――――休み？
なんて思いながらビニ傘を畳んで腹も減ったからランチを求めて店に入った。
「大倉くん、今日は遅いな。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 スピンオフはいつか書きたいと考えてはいます。今回の作品は自分でも書いてい楽しくていつかスピンオフも書けたらいいな・・・と、考えてはいます。 (2022年4月23日 17時) (
レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - ますます面白い展開にワクワクしてます。出来ることなら個々のスピンオフ読みたいです。出来れば�埒�です。よろしくお願いします。 (2022年4月22日 0時) (レス) @page39 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - ショーン様 コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年4月19日 16時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - もうメッチャ面白いです！楽しみです。 (2022年4月17日 19時) (レス) @page32 id: 849d9c80b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2022年3月28日 23時
