検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:12,569 hit

227 ページ27

.


「そうですかね?」


「うん、ぐちゃんって崩れそうなくらい緊張していたように見えた。」



「崩れそうなのは何を言ったらです?」




「草むしりやりなおし。」




「……それは崩れます。」







そんなことを言うと太一さんは笑いながら「無理はダメだから。」なんて言われた。自分で気づかないくらい周りにまで伝えていたんだな……緊張感を。





この選択は間違えてなかった。




なんて思ってしまう。





.


「帰ります。」






定時になり俺がそう言うと太一さんから「お疲れ。」そう声は聞こえた。裏口から出ていつも通り坂道を下りて家に向かって歩いて行く。







徒歩圏内の自宅と園の往復のみ。







寄り道はコンビニくらいでほんまつまらん男だって思うけど、それもありやないかなって。




コンビニ袋を下げていつもの道を歩いていく。





自分の体力や精神面を過信していたんかも。
今の自分は過去の自分に比べてきっと3分の1もメンタルも体力もないのかもしれへん。無理に色々したらあかんって事を今回の事で身に染みて覚えれたんかも。






.


角を曲がると両サイドが駐車場で相変わらずの混雑状況。








ちらりと高そうな車から痛車まで停まっていてこれはこれでおもろいって眺めていた時やった。





歩く足が止まり





視線が動かなくなる。






そこにいるのは見覚えのある人。







なんでこんな時間に?なんて思いながら俺はスマホを取り出し時間を確認する。






こちらを見て何も言わず立っている。






「なんでここに?社長がおったらアカンでしょ?」






なんて言葉を投げるけど無視してさずかずかと歩いてきて俺の前に立ち止まって、きゅうに……そう、急に抱きしめられた。





「はい?」




「元気そうでよかった。」




「げ、元気ですって。なに、俺、病気とか言うた?」





「言うてへんけど、ヤスも『大倉の様子がおかしい』言うてたから気になっていた。」



「そ、そうかな。」








ぎこちない返答をすると背中をポンポンと軽く叩かれてから「元気なら安心した。」なんて言われて俺は小さくうなずいた。




.

228→←226



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (36 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瀬奈(プロフ) - うずら様 コメントありがとうございます。無事に終わりました・・・一安心です。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年3月25日 15時) (レス) id: 070125caaa (このIDを非表示/違反報告)
(名前)うずら(プロフ) - 完結本当にお疲れ様でした。素敵な世界でした。ありがとうございました。 (2022年3月24日 12時) (レス) @page48 id: 916cc9618b (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。聖書やスゥエーデン語は確かに分かりにくいですね、すいません。書いていてこれは許される?そんな愛でした。ライトな話が重くなりましたが、終わりにできてよかったです。次回もまたよろしくお願い致します。 (2022年3月23日 9時) (レス) id: e0b2c0462c (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 完結お疲れ様でした。正直、旧約聖書やスウェーデン語はよく分かりませんが。愛するが故に…愛するがため…その人を奪い尽くしてしまいたい…。いいですねぇ〜一息ついたらまた倉丸のお話書いてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年3月22日 15時) (レス) @page48 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瀬奈 | 作成日時:2022年2月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。