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「フミカもなんか歯切れ悪かったんよな。」


妙な空気になったから俺は素直に言う。


「女装してたん、読モ時代。」


「え?」



「今じゃボーダーラインそこまでなくて雑誌やネットに載っても違和感ないやん。当時は斬新な企画扱いでビジュアルで選ばれた俺が毎回着ていくって言うのがあってそこで毎回してたん。」



「ゆゆちゃんをする前に?」



素直に頷いてから一度息を吐き出してから俺は言う。





「その時に結構嫌な目にあって、もう二度とこの仕事するもんか!って、言うたのにまたしているんだからほんまね、アホよな。」



「知らんかった。」



「知ってるのフミカくらいかな。結構嫌がらせ受けている現場モロ見て俺の代わりに喧嘩売ってた
し。」




「やりそうフミカ姐さん。」



大笑いして言うRYOさんは急に黙ってから言う。



「隆平と最近会ってる?」





その疑問に俺はクビをかしげて「いいえ。」なんて言うと数回頷いてから煙草を灰皿に押し付けてグラスを手に取ってから教えてくれた。





ドキド キ続く心臓の音がぎゅっと痛くなる瞬間。




あぁ……やっぱり





そんな気持ちが大きくなって俺は小さく笑って「そうなんですね。」なんて返事を返していた。







――――隆平、ヨリを戻したみたいでさ。






もう、飯を作らなくていいんだ。






もう、掃除しなくていいんだ。






もう、洗濯しなくていいんだ。






もう……店でしか会うことはないって事やん。







「良かったじゃないですか。先生は幸せに過ごされているんですよね。」






ゆゆとして俺は言うしか出来へん。




痛い



物凄く痛い



胸が痛い



急に痛みが起きる






「店に来た時にサービスしなきゃ。」








弾んだ声で言うしか俺にはできなくて、泣きそうな気持を必死に耐えていく。





「大倉?」





「ゆゆですよ、店ですから。」





「大倉……」





「RYOさん、ゆゆですから。」








いつから俺は丸山先生の事が好きだったんだろう?




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作者名:瀬奈 | 作成日時:2021年3月23日 16時

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