46 ページ46
.
【すいません、急な仕事が入り数日ホテルに缶詰め生活することになったので手伝いはお休みでお願いいたします】
.
そんなメッセージが来たのは買い出しに行こうか思った時やった。
珍しいな。
なんて思いながら【分かりました。】そう返事をしてから俺は急に空いた昼の時間をどう過ごすか考える。
予定もないから寝るしかなくて、夜は変わらずゆゆちゃん生活をしていく。
お酒を飲んで笑って楽しいはずなのに楽しくない
自分に言い聞かせて昼までアホみたいに寝て、仕事終わりに酒飲んで寝るって言う生活を1週間過ごす。
丸山先生からの連絡は一向にない。
「忙しいんかな？」
そんな疑問を口にするとグラスを置いて言われた言葉は意外なもんやった。
「こないだ会ったで？」
「え？」
「ラーメン屋で会って一緒に並んで食った。」
「マジで？」
「マンションには帰ってなくてホテルだって言うてたからあの時は息抜きなんかもしれへん。」
「ヤスの行きつけのラーメン屋？」
「ちゃうで。最近できた塩ラーメンの店。」
ヤスはそう言ってテーブルに置かれたチャーハンをご機嫌に食っていく。昼間に時間があって呼び出して一緒に飯を食うのは久しぶりな事で、気になっている中華屋にて昼ごはん中。
「缶詰なったら電話とかメールも一切連絡できないって言うし。」
「大変そうや。」
俺のボソッと言う一言にヤスはにんまりしてから言う。
「今度マルに会ったら言うとく。大倉が心配していたって。」
「なにその言い方は。」
「暇なんだろ？」
「まぁ……暇だし、先生と話すの好きだし。」
「僕もマルと話すの好きだし、楽しいもん。」
素直に頷いて店員の持って来たラーメンを食い始める。
1か月はあっという間に過ぎて俺から【どうでしたか？】なんて連絡できるわけなくて、丸山先生からの連絡を素直に待つしか出来なかった。
相変わらず夜の仕事は継続していて、ゆゆちゃんの時間が増えたのはほんま。
オープンからクローズまでずっと店にいる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
