19 ページ19
.
睨みつけている。
見えなくて細目で見ているんじゃなくて完全に怒った視線にいつもと完全に違う表情。
舌打ちをしたのは先生で、先輩はその音が聞こえたらしくて「ふざけるな!」言うて拳を振り上げた。
暴力反対!!!!
.
目をぎゅっと閉じたのは痛いの見たくないから。
でも、すぐに声が上がって俺は目を開けるとよろけた先輩に向けて……
痛そう
そう思ったのは地面にキスしている先輩がおったから。
顔面強打。
いや、周りにいたオーディエンスも同じ。
ポカーンオブポカーン。
KOってこの世に存在していたんや。
回し蹴りって戦隊ヒーローしかしちゃいけないんじゃないの?
波動拳を繰り出す奴しかあかんちやうの?
もしかして、ブ○ースリーの大ファンとか?
俺の頭がパニックなっている時に人混み分けてきた人はむっちゃ焦っている。
「隆平、なにしてん!」
「むかついたんで。」
「いやいやいや、警察来ちゃうから。」
「だって、ゆゆちゃんの腕をつかんだんですよ、コイツ。」
コイツ呼ばわりされてるよ、先輩。
むっちゃ慌てているのは先生を名前で呼んだ人で「行くで。」そう言うて手を引っ張って人混みの中に入っていく。
.
「ゆ、ゆゆちゃん。」
何か言いたそうな丸山先生だけど、引きずられてあっという間に人混みの中に消えていった。
この状況どうしたらええんかな?
先輩のお友達は必死に起こそうとしているけどKOされているから無理やって思うけど。
俺はニッコリ笑って「失礼。」言うてダッシュで店に戻った。
.
112人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瀬奈 | 作成日時:2021年3月23日 16時