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エレベーターに乗り込み仕事用のスマホを確認作業。
個人的の予約は受け入れへんから店のサイトから飛んできた予約連絡を見ただけでも気が重くなった。今夜から3連続のフル予約はありがたいんやけど、出禁にしたい奴の名前なんて見つけて店に【この客要注意人物】なんて知らせておく。
一応、身を守るためには必要だって言うのを先輩方に教わった。俺と入れ替わりに辞めた人気の合った先輩は客にストーカーまがいな事をされ警察沙汰にまでなったって聞いて怖くなる。
女装の奥にあるのは男なのに女として見てきちゃうんだからそれはちと恐怖やな。
女性として生きている方々の方に行った方がええと思うんよそう言う人は。
来客スペースに止めている愛車のベスパに乗って俺はアパートに戻りながら信号で止まる。
視線の先にあるのは見覚えのある人
サングラスのブリッジを少し上げてから大きくため息をした。
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「恋人？」
そんな質問をされて掃除機のスイッチを止めてから「今はフリーです。」なんて言うとソファーに座っている丸山先生はタブレットの手を止めて俺をじっと見てくる。
「そう言う、先生は？」
突然の質問に先生は苦笑いして「去年振られました。」なんて言うから地雷踏んだ？ドキドキの中で先生を見ると結構平然とした顔をしているから既に吹っ切れている感じ。
「僕の仕事に集中すると相手にしないのがムカつくらしいです。」
「それは無謀過ぎません？」
「一緒に住んでいたから。」
聞き流しそうなったけど、そんなレベルまで言って別れるって相当ちゃうの？
「色々あるんですねぇ。」
一般的な答えをしてから掃除機のスイッチを入れて俺は掃除を始めると先生はタブレットを眺め始める。仕事部屋に俺が入り掃除機をかけていくんやけど、相変わらずの床に置かれた本の山をスペースの空いている場所に本をぶち込んでいく。掃除したいから無理やり押し込むって言うやつで、後で勝手に出してください的な。テレビドラマに出てくるような作家の部屋をイメージしたけど、そんな感じでなくて値段がそこそこいく椅子と机とパソコン2台あってこれだけ見たらネットゲーマーにしか見えへん。
周りに置かれた本の山々で作家だなってなる摩訶不思議。
ゴミをまとめて掃除機をかけている時に俺は発見してしまった。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年3月23日 16時
