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「よし、私たちも行こう。」
「はい。」
3人の声が一緒になるってどんな指導したんですかね？有田先輩。
「じゃあね。」
さっさとエレベーターホールに向かって行くのを見送った時やった。
「個性ある3人だなぁ。」
「ひなのちゃんのアクスタ交換して欲しい言うたの倉田さんって子。」
「よく覚えてるな。」
「仕事上のクセ。」
「それより、久しぶりに顔見たんじゃね？」
「誰の。」
「佐野さん。」
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不意に言われた名前に「そうやな。」なんて返事を返す。
「なんでキタミツが気にするん。」
「いや、なんか。」
さっきまで彼女作れとか言うてて急にそんなしんみりした言い方するって何?そんな空気読める子だっ
たん、キタミツ？
「関係ないで、もう過去や。」
俺がそう言うとキタミツは「腹減ったからさっさと行こう。」なんて言いエレベーターでなく階段で下りて行った。
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「大変申し訳ございませんでした。」
店舗別口で深々と頭を下げると機嫌が少しだけ直った方が帰っていく。
窓口での対応が気に食わないとクレームされてから1時間懇々と謝罪していくけどなかなか許してくれへんし、しまいには高額預けているのに窓口来てもティッシュ1つはどういうことだ！なんて言われても、金融庁指導で色々言われてましてなんて言える？頭を下げて謝るしかできないんやって。
「マジ疲れた。」
ATM裏側の倉庫で思わず漏れた言葉にフロア担当のおばちゃんに慰められる始末。
ほんまは店長がすべきなのに、上のフロアのお手伝いで不在。おまけにそういうときのための副支店
長もおるはずなのに年寄り対応で結局……俺になるんよね。
店舗におると色々なクレームやら言われてノックアウトは結構多い。
同期でメンタルきて退社したやつもおる。
「がんばろ、俺。」
何て自分に言い聞かせてデスクに戻るとメモが電話の所に貼られてあった。
【営業事務方の倉田さんに電話してください。千 田さんの案件です。】
むっちゃ嫌な予感しかない。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2021年1月18日 20時
