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後部座席に倒れないように蘭鉢が入った段ボールを置き、花壇に植えるマリーゴールドの苗をやはり箱買いしてこれも動かないようにそれぞれ固定する。段ボールの中にはお祝いの立て札と病院名が達筆な園長の字によって書きあげられリボンも飾られて開店祝いにもってこいな感じ。




「どこまで行くんです?」




「隣の市ですけど、近いですからドライブ兼ねて。」




「仕事中でしょ?」




「そんな、忠義くんまでそんな意地悪な言い方するんだから。」






俺が見る時、毎回仕事してないけどほんまに大丈夫なん?逆に心配なるし。






「きみくんが来たら出発。」






……っつ





痛みがまた来る





でも、いつもの痛さより軽いから恋とかじゃなくて何の体がおかしいってことや。






「隆平の運転が死ぬほど怖い。」






「きみくんが運転してください!」




「なんで俺?」




「僕の運転怖いならきみくんがすればいいんですぅ。」






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痛い





痛い





あかん






むっちゃ痛い







やっぱり……これが恋?







センセ見て痛いって頭がヤバイんじゃなくて?





どこか悪いんだって






恋なんかじゃない






ちゃう、これは……体が……







白衣でないスーツをきちんと着ているセンセを見るのはあの日以来。








一歩下がった場所で二人のやり取りを見るのが精いっぱいで、出来たら一緒にいたくない。






なんや、ほんまにこの……しんどさ。






「忠義くん!」




「は、はい?」




「行ってきます。」




「あ……気を付けて。」






会話したくないんやって。






ここにいたくない、分からんけど苦しい。





「大倉。」




っつ……むっちゃ痛い。




なに?この心臓のスピード







悪いことしたときのスピード並みにバクバク言うてやばいって。







「な、な、な、なん、なん、なんです?」






挙動不審やん、俺









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「ありがと。」







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頭の中が完全にショートした。




丸山さんのお手振りに俺は頭を下げて「ありがとうございました。」と店員らしい言葉を言うたけど
心臓がバクバク言いすぎて倒れるんちゃう?なんて不安に襲われた。





これが、これがそうなん?






むっちゃしんどいやん









むっちゃ苦しいやん。








心臓が止まりそうなくらいぎゅぅぅぅぅ!されるの、みんな大丈夫なん?





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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年11月17日 16時

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