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「今はいい感じなんです?すば るくんと丸山さんみたい?」
傷を自分で広げている
「そうやな。飯食ったり、一緒に過ごしたりはしてるで?あ、見かけても声かけるのはなしやで、ヨコは恥ずかしがりやだから。」
痛みが増す
「しませんよ。そう言うのマナー違反だし。」
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なんでこんなに痛い?
切った場所が痛いんじゃない
どこが痛い?
分からない……痛すぎて……
なんでセンセの話でこんなに痛い?
なんやねん
入院して変なの埋め込まれた?
痛み倍増機械でも入ってん?
分からへん
とにかく痛い……
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人を好きになる
俺はそこが分からへん。
痛みの原因はそこにあるん?
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「大倉はそうやな、まず恋をしないとあかんと思う。それも初恋をしなきゃあかん。」
「はぁ?」
「初めての恋がないっていうてんの。」
「ヤスはあるん?」
「僕はね、幼稚園の時の先生。」
「中学の時から年上好きやん。」
「熟女はあかんねん、気持ち年上。」
「幼稚園の時の先生って結構な年上やん。20歳上とかでしょ、いまだと……40歳とか?」
「幼稚園の時はかなり年上がちょうどええねん。今は気持ち上の女がええの。経験多い人より少ない方がさ、じわじわ攻めてたまらなくない?」
「ヤスの趣味が分からへん。」
この子の性癖が怖いんですけど。毎回、会うたびに髪型ちゃうし、もっと言えば服のセンスが更に謎になってるし。今日のチョイスはちょっとエキゾチック言うてスカートみたいなのだし。
怖いし、ほんまに怖いし。
「初恋はいつです?」
急に言われた質問に俺は「は?」なんて返事を返すとヤスはにんまり笑った。
「魚のコイちゃうで?」
「そんなボケ言う?」
「大倉は言いそうだから。好きになった事ある?」
いきなり言われても正直思い浮かばない。煙草を銜え考えるけどやっぱり浮かばない。
「最初って保育園か幼稚園よな。友達の子や先生とかはないん?」
「記憶ないな。」
「中学の時に付き合ってた子は?」
「あれは……なんで一緒におったか記憶ない。」
「でたよ、それでトラブルなったやん。」
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作者名:瀬奈 | 作成日時:2020年11月17日 16時