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「丸山さん、俺……車に戻りたいんやけど。」
「ノォォォォン！」
「え？」
「今はダメです！絶対ダメ。」
完全に戻るの禁止言われてしまった。仕方ないから台車の方に行って植物の状態をアプリに登録していく。
のぞき見姿勢の丸山さんの必死度はそれなりに今の現場は大事件ってことか。
いつ帰れるんかな……俺。
こういう現場に慣れてへん俺には結構な長時間の感覚で思わず地面に座り込んで丸山さんの行動を眺めた。
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「丸山さんもこっち系で、先生もこっち系なんや。」
思わず口にすると丸山さんはニッコリ笑って言うた。
「きみくんはこっち系か知らんけど、多分ですね。」
「そうなん？」
「村上さんとのお付き合いは長かったみたいですけど。」
なぜか、植物園まで丸山さんはついてきて、おまけに温室でくつろいでいるってよくわからない状況かなんですけど。この人は仕事しなくて大丈夫なん？
「女の人とお付き合いしていた時期もありましたし。」
「丸山さんは？」
「数回はありますけど、カモフラージュですから。」
きっぱり言われた。すば るくんに一目惚れだったら女の人はそこまでって言うん感じなんかな。
「きみくんはモテると思いますよ。なんせ、お医者さんだし、優良物件だし。」
「その言い方。」
「ほんまですもん。僕みたいに、事務員さんより医者って言うのは最強ですよ。」
初めて知った……丸山さんが事務員だという事実。
「事務員でもモテません？一人息子なら跡継ぎでそりゃ大きいやん。」
「僕は嫌なんで、全部きみくんに託しちゃおうかなって。イトコだと何でもできるじゃないです
か。」
イトコだとなんでもありなん？そういう現実的な話は知らんけど。
「なんでしたら忠義くん、うちの病院継ぎません？」
「なんで俺？」
「え？女の子好きだったら看護師と恋愛してっていい感じで、できますけど。」
「それって、やばいやつやん。」
「あら、ばれた。」
冗談でも看護師に手を出したらやばいやつ！週刊誌に書かれちゃうネタやん。
高校を出てない人が後を継ぐのは実力社会の仕事できる人だけだし、医者とかそういうのわけわからんし。
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年11月17日 16時
