冬の刻-21 ページ31
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油断したわけやない。
この生霊を始末してしまえば本体は消えてしまう。
傷をつければさらに最悪や。
本体に傷を負わせれば命が消えてしまう。
こないだ来たのは生霊と違い過ぎて憎しみの力……負の力が大きすぎて僕でも勝てへん。
だからか？
いつもなら逃げれる弓矢が僕の体に突き刺さっていく。
痛みはある
でも、死ぬことないこの身体には拷問に近い痛みが続く。
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刀を持つ力が無くなり、無数の武士に刀を突き立て捕まる。
目の前にいるのは……さっき僕にそそのかした言葉を言うた男。
「忠義の味方になるって鬼の癖に。」
負の心に捕まった皇子がそこにおった。
「どこに隠したん、忠義を！」
僕の髪を掴み、怒りをぶつけてくる。
断ったことを気に食わないと怒って帰ったはずなのになんでまたここにおるん？
「さぁ……」
やっと出た言葉に皇子は「探せ。」そう口にする。りょうに頼んだけど、アイツは力がない……きっ
とすぐに見つかってしまう。
やっとの思いで僕は体を起こし生唾を飲み込む。
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案の定、声が聞こえた先は小屋の場所で完全に逃がすことができへんかったことが悔しいんやけど。
刺さった弓矢を抜き取る度に尋常じゃない痛みが体に来る。
でも、このままでおったら理性が消えてしまう。
「ミカドに報告してあげましょうか？あんたが……忠義殿を始末しようとしていると。」
「オニが何を言う？」
「頭ええよな……あの手紙を僕に届けさせる。それによって忠義殿に謀反を考えているとミカドが考
えになったら自分は優位になるもんな。」
「なにを言ってる？」
「この世を変えるには自分の力が必要だと……そう書いたあの手紙は謀反にもってこいの内容や。」
物凄い勢いで皇子は僕の手を踏みつけた。
声を上げて痛がると鼻で笑ったん。
「痛みはあるんや。」
コイツ……ほんま腹立つ奴や。
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瀬奈(プロフ) - ミムラ様コメントありがとうございます。月詠記はあのまま置くのが一番と思い置かせていただきます。こちらは新たに書き足して進めていきますのでこれからも宜しくお願い致します。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d70537b0b4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - よかったです。世界観、書き表し方とても好きです。何度も読み返してます。消さないでほしいです。次も楽しみにしています。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 39731cc6b3 (このIDを非表示/違反報告)
瀬奈(プロフ) - kkoyanagi様 コメントありがとうございます。前のお話をもっともっと向き合いたくて、まずは最初から書いてます。ゆっくりあのお話に繋げていきますのでお待ちくださいね。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: d24f83f6f0 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 良かった、前のお話凄く気になっててどうなるんかなぁって心配でした。有り難うございますゆっくり待ちます。 (2020年3月9日 7時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬奈 | 作成日時：2020年3月3日 18時
