mystery...2 ページ2
(安室side)
今日は、組織の仕事も公安の仕事もなく、バイトのみ。
いつも通りお客さんに料理をふるまい、接客をし、何気ない世間話に耳を傾けていた。
今日もここは平和だ。___なんて、そんなことを考えながら、サンドイッチを作っていたときのことだった。
ゆっくりと開いて、来客を知らせたドアとベル。
いらっしゃいませ・・・・・・と言いながら、何名か確認をしようと横目で扉の方を見た...が、人はいない。もしかして、小さい子供だったりするのだろうか。そんなことを思って、少しだけつま先を伸ばしてみた。
夏でもないのに深く被っている麦藁帽子。大して眩しくもないのに、着けているサングラス。
アロハシャツこそ着てはいないものの、完全に小さい子が着なさそうな服を着た子供。
この姿には見覚えがあった。
だが、こんな姿の子供をみたのは、3年も前だ。それにあの子からは連絡なんて来ていな……
そんなところまで考えていたがその思考は子供が発した言葉ですべてシャットアウトされた。
「やあ!久しぶり!透兄ちゃん!!」
いや、これはきっと幻覚だ。夢でも見ているんだ。……そう思いたかった。
でも、目の前には困惑するお客さんと梓さん。嗚呼、もう駄目だ。……なんて思ったとき、救いの手が差し伸べられた。
「ただいまっ!透兄ちゃん!……やっぱり、アメリカから帰ってきて一番に会いたいのは透兄ちゃんだけだね!」
僕の今の心境を知ってか知らずか、この子はぎゅっと抱き着いてきた。
とりあえず、今やるべきなのは、周りに怪しまれないように....
「おかえり、A。アメリカはどうだったか?楽しかったか?」
「そりゃもちろん!……あっ!そういえば透兄ちゃんが喫茶店で働いてるって聞いてたから、お土産買ってきた!」
「お!これは美味しいバームクーヘンじゃないか。ありがたく使わせてもらうよ」
なんでアメリカに行ってまでバームクーヘンなんだ?
そんな言葉を飲み込みながら、軽く頭を撫でた。
そうすれば、さも気持ちよさそうに目を細め、えへへ〜と声を漏らす彼女。
はたからみれば、お花畑でも彼女の周りにいは見えるのだろうか。
そんなことを考えていた時、あの、と声が聞こえてきて、彼女の頭を撫でる手を止めた。
彼女は少し名残惜しそうに、頬を膨らませている。
「あの、その子、誰ですか?安室さんの知り合いですか?」
今まで会話に混ざることのできなかった梓さんが声を上げた。
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壟薇 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月19日 3時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ミモザ - すっごく面白いです!次のお話も楽しみにしています!頑張って下さい! (2019年7月26日 11時) (レス) id: 9414b767e6 (このIDを非表示/違反報告)
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