【あんスタヤンデレ短編集】狂いは全て、愛ゆえに。 (ページ20)

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漣ジュンの一途な愛／美桜様リクエストページ20

寮の一室。正確に言うならば、彼の、彼専用の部屋。ここには誰一人入ってこない。入ってこれない。…彼以外は。

「今日はいい子にしてたっすかぁ、A」

ノックもせずに、彼は入ってきた。私は、ベッドに寝転がったまま目を向けた。

─漣ジュン。恋人で、私をここに閉じ込めた人。私が、好きだった人。今も私を好きな人。

閉じ込められてどれくらいたっただろう。今が何時かも分からない。時計がなければ、窓もない。

「あーあ、またこんなに散らかして…」

私が答えずにいると彼は手際よく散らかっているモノを片付け始めた。

ペン、紙、本、パソコン。

全て彼が用意したもの。やることがないっすからねぇ、とかなんとか言って用意したもの。

「…おひいさんに会いたいな」

小さく呟いた。その一言で、彼の雰囲気が変わった。片付けをしていた手を止め、こちらを向く。

「A、何回言えば理解するんっすか？」

そう言って、私に近づき、ベッドに座る。それでも答えずにいると、馬乗りになり、私の首を絞めた。

「あ”ッ」

骨が折れるんじゃないか、と思うくらいの力で絞められ、必死に抵抗する。もちろん、力では敵わない。全く動かなくて、首を絞める力が強くなるだけだった。

「何でおひいさんのことばっか言うんすかねぇ…。嫉妬でどうにかなっちまいそう。これ以上言うんなら、おひいさんを殺しちまうかもしんないっすね」

乾いた笑い声が部屋に響く。狂った笑みは私を見ていた。

「あんたもこのままだと、死ぬっすけど…」

今ならまだ許す、そんな顔で、言う。首を絞める力が少しだけ、弱くなった。

「…ごめんね、ジュン。許して、もうあんなこと言わないからッ」

弱々しく言えばそれでいいんっすよ、と彼はまた笑った。首から手を離し、唇にキスをした。

「あんたは俺だけを愛してくれればいいんっすよ」

(貴女以外はいらないの)

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