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41.真相 ページ43

nonside




「どういうことだよ兄貴!!」

「どういうことって何が?」

「Aに何かしたんだろ!」

「何のこと? Aが勝手に身代わりになっただけじゃん」

「それじゃなくて、Aがここ数日冷たかったことだよ!」




Aが医務室に運ばれた後、キルアは兄であるイルミを問い詰めていた。

しかしイルミは無表情で飄々と核心を避ける。




「どうせ針で操ってたんだろ!?」

「なんだ、分かってるならわざわざ聞かないでよ」

「ふざけるなよ」




キルアは腹の底から怒り混じりの低い声を出して、イルミを睨みつける。

一方イルミは呑気に自分の爪を眺めながら受け流す。




「そんなに俺とAに仲良くしてほしくないのかよ!?」

「なんで?」

「なんでってなんだよ!」

「キルはほんと、Aのことが好きだよね」

「好きだよ。ずっと一緒にいるし、世話のやける妹みたいな感じだし」




イルミはそこでキルアの目線に合わせて膝を折り、真っ黒な瞳でキルアを見つめる。




「違うよね」

「……何が」

「キルアがAに対して抱いているのは、妹としての好きじゃないよね」

「そんなわけ……」




冷や汗を流して口ごもるキルアを一瞥し、イルミは息を吐きながら体勢を戻す。




「それが理由だよ。Aには俺にとって都合のいい最高の殺人鬼になってもらわなきゃならない」

「けどAはお前の所有物じゃない!」

「俺が流星街から拾ってきたんだ。俺のモノだよ」

「でもAには心があるし、瞳の光も失っちゃいないんだ……」




キルアは絞り出すような震える声で訴えるが、到底イルミには響かない。

それがキルア自身にもよく分かっているからこそ、声はどんどん小さくなっていく。




「だから必要以上にキルと仲良くなられちゃ都合が悪いし、増してや恋愛なんかあまりにも非効率すぎる」




キルアは、イルミのあまりに非情な考え方に言葉を失った。

あまりにも腹が立ちすぎてなんと言ったらいいのか分からなかったし、何を言っても無駄だとも思っていた。




「……もういい。Aは俺が助ける。お前とは一生関わらせない」




そう言って去って行くキルアを、イルミはただ無言で見つめていた。

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ゆー(プロフ) - めためた面白かったです。いやでも、ホントキルア尊くて〇ねるっすわ(( (2022年9月20日 19時) (レス) @page47 id: eccc105014 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 死神鎌少女さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます!! 完結最近なんですよね(笑)めっちゃ時間かかりました😂 (2022年4月2日 8時) (レス) @page47 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
死神鎌少女 - 完結おめでとうございます。とっても面白かったです!というか、完結したのつい最近すぎて嬉しかった(?) (2022年3月30日 17時) (レス) @page47 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - メロさん» 一気読みありがとうございます!!嬉しいです……。そうなんですよ、完結までめっちゃ時間かかってしまいました笑 (2022年2月17日 21時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
メロ(プロフ) - 今日初めて見ましたが、一日で全て読んでしまいました…しかも完結したのがつい最近だと知り、とてもびっくりしてます!とっても面白かったです!素敵な作品をありがとうございました!! (2022年2月16日 23時) (レス) @page47 id: 90cba439c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みくる | 作成日時:2019年3月30日 18時

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