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翌日、3次試験会場に到着した受験者一同。何やら相当標高が高い塔の上に降ろされたようだ。
下まで行くこと。それが合格条件らしい。
なんだ、側面を伝って降りればいいやと思ったのもつかの間。同じことを考えた1人の受験者が巨大な鳥らしきものについばまれてしまった。
「側面から降りるのは無理そうだね」
私が言うと、キルアは「そうみたいだな」と頷いた。その拍子にふぁさりと少しだけ動くキルアのアホ毛がやけにかわいく見える。
キルアの端正な横顔に思わずため息が出る。
するとキルアは呆れたように横目で私のことを見た。
「あ、そういえばキルア! 私昨日ずっと探してたんだよ。どこにいたの?」
昨日のことを思い出しキルアに問いかけると、キルアは横目ではなく正面に向き直った。
「あぁ、ちょっとゲームしてた」
「えー! ひどいよ! どうして私も呼んでくれなかったの?」
頬を膨らませるとキルアはクシャっと頭をなでてきた。
「悪かったよ。次はお前も呼ぶから。な?」
そう言うキルアをつい許してしまいたくなったが、ヒソカのことが頭によぎり、恐怖が少しだけ蘇った。
その恐怖を怒りに変換することで誤魔化す。
「絶対だよ⁉ これでも結構怒ってるんだからね!」
そう言って強めに地団太を踏んだ時である。
足元がぐらっと揺れたかと思うと_______
床が回転して______
落ちた。
落ちる直前、キルアが私の腕を掴もうとしたが間に合わなかった。
「A!」
床が回転して地上の光が見えなくなっていく。キルアの声も遠ざかっていく。
数メートル落下し地面に着地すると、ほの暗い広場の真ん中に看板が立てられており、そこには
『迷路の道』
と書かれていた。
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ゆー(プロフ) - めためた面白かったです。いやでも、ホントキルア尊くて〇ねるっすわ(( (2022年9月20日 19時) (レス) @page47 id: eccc105014 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 死神鎌少女さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます!! 完結最近なんですよね(笑)めっちゃ時間かかりました😂 (2022年4月2日 8時) (レス) @page47 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
死神鎌少女 - 完結おめでとうございます。とっても面白かったです!というか、完結したのつい最近すぎて嬉しかった(?) (2022年3月30日 17時) (レス) @page47 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - メロさん» 一気読みありがとうございます!!嬉しいです……。そうなんですよ、完結までめっちゃ時間かかってしまいました笑 (2022年2月17日 21時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
メロ(プロフ) - 今日初めて見ましたが、一日で全て読んでしまいました…しかも完結したのがつい最近だと知り、とてもびっくりしてます!とっても面白かったです!素敵な作品をありがとうございました!! (2022年2月16日 23時) (レス) @page47 id: 90cba439c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みくる | 作成日時:2019年3月30日 18時