16.再会 ページ17
·
「トンパさーん!!」
聞き覚えのある声に、Aは咄嗟に声のした方を見た。
「キルア……!!」
「チッ……」
感動で顔を輝かせるAと、不機嫌そうに舌打ちをするイルミ。
「仕方ないな、お前はキルのところに行ってもいいよ。でも俺の存在は言うな。わかったな?」
イルミはそう言うと、ポケットから針を数本取りだし、顔に刺し始めた。初めて見る光景にAは呆気に取られた。
面影すらなくなったイルミをポカンと見つめていると、彼は
「どうした。早く行け。お前がここにいたら俺の正体がバレるだろ」
と言ったのでAは了解してその場を離れた。
イルミの初めて見る能力に呆気に取られたAだったが、キルアの方へと歩を進めるにつれ気持ちは高ぶっていった。
ついに彼の背後まで来ると、彼の目を覆う。
「だーれだっ」
「A!?」
「ふふ、正解」
Aはキルアの目からパッと手を離すと、ニコッと笑う。キルアは思わずAの肩を掴んだ。
「お前なんでここに!? 兄貴は一緒じゃないのか!?」
「え、えっと、仕事で必要だから受けに行ってこいって……。イル兄はいないよ」
「なんで何も言わずに出てったんだよ!!」
「内緒にしろって言われたからね! でもまさかキルアも受けに来てたなんて」
キルアはポリポリと頬をかいた。
「まぁな……。家にいるのが嫌になっちまってよ。お前がいないから尚更な」
「何それ嬉しいよ大好き!!」
「はいはい」
2人で笑い合っていると、先程までキルアと話していたおじさんが話し出した。
「嬢ちゃんはこの子の知り合いかい? 俺はトンパってんだ! 良かったらジュース飲まないかい? お近付きの印に」
「全然お近づいた気はしないけどありがとうございます」
Aはジュースを一気に飲み干すと、空き缶をトンパに差し出した。
「美味しかったです! ちょっとゴミは持っていたくないのでお返ししますね!」
「あ、あぁ。わかったよ、俺が処分しておく(生意気なこと言ってられんのも今のうちだぞ!)」
当然、Aは毒が入っていたことには気づいている。しかし彼女もゾルディック家で訓練をした身。そんなことでは怯まない。
「あっち行こ、キルア!」
「そうだな。またねトンパさん!」
トンパから距離をとった2人は
「毒入ってたね」
「まぁな」
という会話を交わした。
289人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆー(プロフ) - めためた面白かったです。いやでも、ホントキルア尊くて〇ねるっすわ(( (2022年9月20日 19時) (レス) @page47 id: eccc105014 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 死神鎌少女さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます!! 完結最近なんですよね(笑)めっちゃ時間かかりました😂 (2022年4月2日 8時) (レス) @page47 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
死神鎌少女 - 完結おめでとうございます。とっても面白かったです!というか、完結したのつい最近すぎて嬉しかった(?) (2022年3月30日 17時) (レス) @page47 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - メロさん» 一気読みありがとうございます!!嬉しいです……。そうなんですよ、完結までめっちゃ時間かかってしまいました笑 (2022年2月17日 21時) (レス) id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
メロ(プロフ) - 今日初めて見ましたが、一日で全て読んでしまいました…しかも完結したのがつい最近だと知り、とてもびっくりしてます!とっても面白かったです!素敵な作品をありがとうございました!! (2022年2月16日 23時) (レス) @page47 id: 90cba439c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みくる | 作成日時:2019年3月30日 18時