双子になって九十七日 ページ9
花巻目線
「そろそろ行かないと時間やばいんじゃない？」
松川が時計を見ながらそう言った。確か、出発時刻は2時15分。
...だいぶやばくね？？！
「やばいまじだ！！！早く乗ろ！！」
俺たちは慌てて改札を抜けホームに出る。
そこにはもう既に東京行の新幹線が止まっていて、俺たちは指定されている席に座った。
俺たちが座席についたのを合図とするかのように新幹線の扉が閉まりいかにギリギリだったかがわかる。
「ギリギリセーフ.....。」
「ごめん。ほんっとごめん。」
隣でそうひたすら謝る怜羅にさすがの俺も大きく出れないでいる。
ちなみに俺は窓側。んで隣は怜羅。前の席に松川と及川と岩泉がいる。
向かい合わせにしているため実質6人席だ。
「んで？結局なにが原因で遅刻したの？」
「そう！！聞いてよ松つん！！！怜羅がね！！」
何でも及川の話によると怜羅が珍しく寝坊したのだそう。
それに反発するかのように怜羅がお前だって寝坊したじゃん！！と話す。
「まぁ、つまり両方寝坊したのか？」
「そういうことだ。んで、喧嘩し始めたのを俺が叱ってたら...」
「さらに遅れた....と。岩泉も大変ね。」
まぁでも、一時期は寝れないからと睡眠薬を過剰摂取する程だった怜羅が今は寝坊するほど回復したと考えれば良かったな。と思うことが出来る。
「じゃあ及川が悪いな。」
「マッキーなんで！！！」
「まぁまぁw」
やっぱ花巻は優しいな！！と喜んでいる怜羅の笑顔を見て俺はこの笑顔を取り戻せて良かったと思った。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
