双子になって九十一日。 ページ3
「調べてみたところ怜羅さんはかなり眩しく見えている事が分かりました。
日常生活を送るには専用のメガネが必要になると思われます。
そして、非常に伝えづらいのですが。
【もう、体育館や屋外などの強い光源がある場所での活動は控えた方が、いややめた方がいいでしょう。】
激しい頭痛や目眩を伴いますし、目が悪くなる危険性があります。」
徹達が息を飲んだのが分かった。
...体育館での活動をやめろ...？？
「ｯ先生！！俺にバレーをやめろと言うんですか！！」
「やめろとまでは言えません。最終判断は怜羅さん自身がして下さい。ただ、医者としてはお勧めできません。」
「やります。バレー！俺は、やれます！」
俺がそう騒ぎ立てると岩泉にベッドに押さえつけられる。
「怜羅。落ち着け、」
「...体育館ということは公式戦とかの明るいスポットライトって...」
徹が少し気まずそうな声で先生に聞く。
「厳禁。ですね。観戦するくらいならメガネをかければ大丈夫でしょうが、運動をするとなるときっとスポットライトを直視しなければいけない時が出てくるでしょう。
そんな時目にも大ダメージですし体調も悪くなると思います。
こんなことはあまり言いたくはありませんが、
バレーはもう諦めて下さい。」
「ｯ！！！！」
せっかく全国へ行こうと約束したばかりなのに
俺にはそれをする資格も無いらしい。
その時徹が口を開いた。
「観戦するのがOKってことはマネージャーならやらせても大丈夫ですか？」
なにを言い始めたのか理解出来なくて徹を見る。
「俺たちは一緒に全国に行くって決めたんです。
メンバーとして出られないのならマネージャーでもいい。
怜羅と一緒に全国に行きたいんです。お願いします。」
徹は先生に頭を下げる。つられて俺も、岩泉もお願いしますと下げる。
「本当はあまり宜しくない事だけれど。お兄さんのその思いに答えて了承しましょう。
但し、必ずメガネを着用すること。なるべく陰になる場所にいること。月に一度定期検診に来ること。この3つを守って下さい。」
「怜羅。やれるね？」
「もちろん。守ります。」
そしてめでたく俺はバレーに関わることができるそうだ。
先生が病室から出ていくとどっと疲れたのか俺はそのまま眠ってしまった。
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作者名：しばいーぬ | 作成日時：2021年11月26日 19時
