【鬼滅の刃】半人半鬼〜柱ならざる柱〜

VS上弦の陸４ ページ30

in宇髄

アアアアアアアアア！！

遊郭の空に3人の雄叫びがド派手に響く。

ザンッ

上弦の陸の首二つが宙に飛ぶ。

が、道ずれと言わんばかりに男の体から血の鎌が現れる。

マズい


宇「逃げろーッ！！！」


大声で叫ぶが、このあたり一帯が木っ端微塵になるのは避けられない…このままじゃ、竈門も…

折角上弦を倒したのにもうだめかと思った時、目を疑った。

目の前にいる、土埃にまみれた羽織を纏ったそいつは、


宇「オイオイ、さっきまでド派手に気を失ってたじゃねぇか！」


『雨の呼吸 肆ノ型 黒風白雨』


・


in炭治郎


禰「うー」


目覚めた後、禰豆子におぶられて半壊状態の街を走る。

Aから貰った薬と禰豆子のおかげで俺も皆もどうにか毒が回り切る前に解毒することができた。

今は上弦の陸の首を探して、街を走り回っている。

瓦礫の中に血だまりを見つける。

鬼の血を匂いだ！

そっと近づいて血を採取し、猫に預ける。

猫が去った後、更に強い匂いがした。

近づいていくと、どんどん声が鮮明に聞こえる。

声の主は上弦の陸の2人だった。

まだ生きている…しかも言い争っている、

けれど、少しずつ肉体は崩れていっている。

近くにはAもいた。

彼女は黙って二人を見てる。

二人の言い争いはどんどん激化していく。


堕「アンタみたいに醜い奴がアタシの兄妹なわけないわ！！」


その言葉に俺は悲しくなる。

もし禰豆子にそんなことを言われたらと思うと胸が張り裂けそうだ。

妹鬼は更に言葉を重ねる、兄鬼も応えるように酷い言葉を吐く。


妓「お前なんか生れてこなけりゃ良かっ…」


炭「嘘だよ」


そうだ二人の言っていることは全て嘘なんだ…


炭「仲よくしよう。この世でたった二人の家族なんだから。
君たちのしたことは誰も許してくれない、殺してきた沢山の人に恨まれ憎まれ罵倒される…味方してくれる人なんていない、だからせめて二人だけはお互いを罵り合ったら駄目だ。」


妹鬼が悔しいと叫ぶ。

最後は死にたくないと言って消えてしまった。

兄鬼の方は梅と叫んで消えていった。


炭「仲直りできたかな？」


禰豆子は力強く頷いてくれた。


『炭治郎くん、禰豆子ちゃん、お疲れ様でした。』


Aが近くに来た。


『ねぇ…』


月を見ていて、顔が見えない。


『唯一の肉親が沢山の人の運命をぐちゃぐちゃにして、どれだけの非道を重ねていても…許すべきかな…』


とても無機質な声だった。




・

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