【鬼滅の刃】半人半鬼〜柱ならざる柱〜

VS上弦の陸１ ページ27

inNo

離れの自室に戻ったAは珠世に分析を頼んでいた解毒剤の内の一つ、〈上陸〉と紙が貼られた瓶を取り出した。


(人には少し薄めて使うように、でしたっけ。)


瓶に入った液体をさらに小ぶりの瓶に分け、水で薄めた。

鴉の催促を受け、Aは離れを飛び出した。

鴉の報告によれば事は一刻を争うとのことだった。


(あんまり使いたくはないんだけど…)


そう思いながらもAは足を速める。

あまりの速さで頭巾が外れる。

その眼は鬼の様な猫目をしていた。



・



in宇髄


宇「雛鶴ーっ！！！」


雛鶴を捉えた鬼が腕に力を入れる、このままじゃ、雛鶴が…


宇「やめろーっ」


白い着物がど派手に横切った。


『雨の呼吸 壱ノ型 雨乞い小町の祈雨』


気が付けば、鬼の腕は斬れ、雛鶴は竈門に庇われて後ろに下がっている。


『あ〜あ、無茶しやがって…お前さんもお前さんで、こんな別嬪さんの顔に傷つけようとするんじゃねえよ。』


声の主はいつもの頭巾を被り直し、ゆっくりと立ち上がった。

その視線は鬼を捉えている。

ぞくりと背中に寒気が走る。

雛鶴も雛鶴を助けるために飛び出した竈門も前に立つそいつの迫力に固まっている。


妓「お前何者だぁ、人間、いや変な感じがするなぁ
…さっきそこの柱が言っていた化け物…って奴かぁ？」


あ、やべ


『…化け物………天元はん、後でお話よろしいどすか。』


もはや疑問形でもないそれは我らが雨柱・雨川Aがド派手にキレまくっている証拠だ。

俺は先程とは比べ物にならない位の恐怖を覚えるが同時に高揚もした。

こいつが後で、と言ったんだ、ここにいる全員を派手に守る気だ。

そうと分かると俺は今まで以上やる気が湧いてくる。




・



毎度入りきらない技紹介

雨の呼吸 壱ノ型 雨乞い小町の祈雨：雨の呼吸唯一の攻撃技。痛みのない剣戟。攻撃力はそこまでない。基本、死を望む無抵抗の鬼を斬るために使うが、今回のような場合でも使う。が、上記にも書いたように攻撃力はない。


雨の呼吸 伍ノ型 櫛風沐雨：足に力を込め、地面との接地面を最小にし、最速で移動する技。伊黒さんとの合同任務では、この技を使い、少し離れた所にいた伊黒さんの所まで向かい鬼の攻撃を受け流した。

VS上弦の陸２→←雨柱と蛇柱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す