血鬼術 操血3 ページ22
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Aは蝶屋敷の日の当たらない病室で目覚めた。
左手が暖かいことに気づく、首を横に向けると無一郎が手を握って眠っていた。
(あぁ、血鬼術を使った後、私は気を失ったのか…)
Aは無一郎を起こさないように手を外し、自分の眠っていたベットに寝かす。
律儀に外されていたいつもの白い着物を羽織り、頭巾を被る。
無一郎へ一筆したためて、壁に立てかけてあった番傘を持って部屋を出た。
・
蝶屋敷の廊下を歩いていると最初にあったのは
し「あら、Aさん、おはようございます。」
『おはよう』
蟲柱・胡蝶しのぶであった。
しのぶはAの腕を引っ張り、とある病室の前に連れてきた。
し「全身の骨はバキバキに折れてましたよ。内臓もぐちゃぐちゃでした。生きていることが不思議なくらいです。」
そういって、扉を開けるしのぶ。
そこは炎柱・煉獄杏寿郎の病室でだった。
し「普通だったら死んでいるところだったんでしょうね。
でも、貴方の血鬼術で血液を無理やり循環させることで一命を取り留めた。
そして今は…」
『鬼と人間の狭間で揺れている。』
静かな病室に冷たい声が響く。
『私の…薄いとはいえ鬼の血を少量、傷口から送り込みました。
きっと、人間ならどうしようもなかった傷も多少なりとも修復されているはずです。私の送った血はそれで効力を失っているはずです。
でも、残留している鬼としての何かが、杏寿郎くんを襲っている。きっと杏寿郎くんは戦ってるよ。』
死んだように眠っている煉獄を見つめながらAは零す。
し「鬼のなり損ないになるのか、人として戻ってくるのか…」
しのぶは窓の外を向いていて、表情が分からないが声はとても冷たかった。
し「煉獄さんが亡くなる、というのは嫌でした。残された人たちの気持ちは痛いほど分かりますから。
でも、貴方の与えた苦難の道もまた嫌でした。」
しのぶの声は震えていた。泣く寸前なのだろう。
『彼はきっと人として戻ってくる。私はそう信じてます。じゃなきゃ、こんな荒治療しません。』
Aは静かに笑った。
・
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白(プロフ) - 夜小雨さん» ありがとうございます!私も無一郎推しなのでこれから無一郎とどんどん絡ませていきたいと思ってます! (2019年9月11日 20時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 初コメ失礼します!この作品とても面白く読ませていただいています!私は時透無一郎君推しなので、いつも楽しみに更新を待っています!これからも頑張ってください! (2019年9月10日 7時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 夏目さん» ご愛読ありがとうございます。学校が始まって更新頻度がどうしても落ちてしまうのですが、空いた時間を見つけて更新していきたいと思っています!私もアニメを見ながら煉獄さんの声が若々しい…と驚きましたw (2019年9月7日 22時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
夏目(プロフ) - いつも楽しく読ませて貰っています。とっても良い作品だと思うので、更新よろしくお願いします。あと、私も煉獄さんの声はもう少し野太いイメージでした!頑張ってください! (2019年9月7日 0時) (レス) id: 06c8633641 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - なう。さん» コメントありがとうございます。師弟愛からの恋愛ですか…検討させていただきます。 (2019年8月22日 20時) (レス) id: a10d3b18e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2019年8月12日 22時