救済措置を継続せよ【名探偵コナン】

約束の日 降谷side ページ34

約束の日曜日。

俺とヒロはとある大きな豪邸の前にいた。

「なぁ…本当に此処で合ってるのか？」
「Aさんから送られてきた住所は此処で合ってるな…」

工藤邸に負けず劣らず白を基調とした重厚感と威圧感のある建物は普通の家が立ち並ぶ住宅街の中で異様な存在感を放っていた。

入り口前で呆気に取られつつ俺はインターホンを押す。

暫くするとゆっくりと門が開き、中からAさんではなく何故かコナン君が出てきた。

「安室さんおはよう、景光さんも久しぶりだね。もうみんな中で待ってるよ。」
「おはようコナン君、Aさんは？」
「久しぶりだなボウズ！」

「あー…今ちょっと立て込んでて」
「「？」」

苦笑いで答えるコナン君に連れられ建物の中に入り玄関の戸を開けると中から何やら騒がしい声が聞こえてくる

「おい！冗談じゃねぇぞ！？」
「ちょ、松田こっち来んな！！絶対嫌だから！」
『大丈夫、3日経てば元どおりだし副作用も無いから、是非協力してくれ』
「ふざけんな！おい伊達！笑って見てないでコイツ何とかしろ！」

「コナン君？何が起こってるんだい？」
「松田と萩原めちゃくちゃ焦ってないか？」
「いや、何かAさんが作った薬で性転換剤っていう薬があるらしくて、データが欲しいから松田刑事達に協力して欲しいらしくて…」

性転換剤…？つまり男が飲んだら女になる事ができるという事か？

そんな物まで作れるのか彼女は…

「あ！おい降谷と諸伏来たぞ！ほら終わりだ終わり！」
「ほらAちゃん！話を始めようぜ」
『…チッ』

3人の様子に苦笑いを浮かべる俺とヒロを視界に捉えた2人は何とかAさんの意識を逸らそうとしている。
するとAさんの側のソファからフィリスがひょっこりと顔を出した

「！あの動物！あの時の…」
「フィリス、久しぶりだな」
「キュイッ」

ヒロは嬉しそうに近づいて来たフィリスを抱き上げAさんに近づくとAさんもヒロに向き直り手を差し出した

『感動の再会だな。私は倉科Aです。一応初めましてだね諸伏景光さん』
「君があの声の主か…初めましてあの時はどうもありがとう」

握手を交わすと俺達も席に着く
飲み物の用意をしにAさんとその手伝いでコナン君はキッチンの方へ姿を消した。

残された俺達は無言でお互いの顔を見渡す。



こうして同期で揃うのは警察学校以来か…

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