タイムリミット ページ25
口を滑らせた時点で、今更隠す事なんて不可能だろうと悟りはしたが、こんな所で全てを話すのは正直気が引ける。
あまり、言及されるのは面倒だ。
そう思い私は安室さんの質問から逃げるようにコナン少年に何故フィリスの事を知っているのか問いかけると思いもよらない回答が帰ってきた。
『ポアロにフィリスが行った?何時?』
「確か○日の昼過ぎくらい…Aさん?」
『っだからあの時、フィリスは戻って来なかったのか……っ!』
コナン少年の返答に私は片手で顔を覆う。
スコッチ救済の時フィリスは何故か初対面の筈のバーボンにやたらと懐いており、私が名前を呼ぶまで戻ってこようとしなかった。
何故だ、と思っていたら救済前に安室さんと会っていたのかっ!
現在の出来事が過去に影響を及ぼしてくるとは、タイムマシンを使うからこそ発生した時間の歪みといった所だな…。
私の発言に安室さんが顔を顰める。
「?Aさん、どういう事だ?何故先日ポアロで俺とフィリスが出会った事があの時フィリスが俺に飛び付いてきた事に関係してくるんだ?フィリスと初めて会ったのはあの時が最初だぞ」
『安室さん…いや、降谷さんにとってはフィリスに会ったのはあの時が初めてだろうけど、フィリスにとってはこの前ポアロで貴方に会ったのが初めてになるんだよ。』
「Aさん?言ってる意味がよく分からねぇんだけど…?」
2人は、私の言葉の意味が分からず困惑した表情を見せる。
まぁ、そりゃあそうだよな。
『…君達や松田刑事達の聞きたい事はよく分かってる。』
「「!」」
なぜ、ゼロやコードネームの事を知っていたのか。
何故、自分達の命の危険を予測していたのか。
何故…私が彼らを助けたのか。
知りたい事は全て知っている。
『…松田刑事と約束したんだよ。やるべき事が終われば全てを話す、って。その時が来れば、降谷さん達が知りたがっている真実を全て教えてあげる。』
だから、そう私は言葉を続ける、
2人の真剣な瞳に、私が映りこむ。
『知りたい事も、聞きたい事も、今はまだ心の中にしまっておいてよ。』
真実を話すその時まで、
知りたがりの探偵さん、あと少しだけ、何も知らないフリをしててよ。
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秋海(プロフ) - すごく面白いです!気になったのですが、31ページ夢主の名前が固定になってます… (2022年8月7日 14時) (レス) @page31 id: b3f98e64b1 (このIDを非表示/違反報告)
なな - ページ32を読んでて思ったんですが、これって、名前固定ですか? (2020年1月20日 11時) (レス) id: 185446ca5a (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - 凛さん» 長らく返信できず本当に申し訳ございません。 まさか夢主ちゃんの絵を描いて頂けるなんてっ……!!本当にありがとうございます!しかも、しかもっ!紺色ワンピに白衣!凄く素敵で愛らしい絵を有難う御座います!地道に頑張るので是非これからもよろしくお願いします! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 300bfc7802 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ミコトさん、初めまして。いつも読ませて頂いております。突然ですが、この小説の夢主ちゃんを書いてみました。IMELOGにて投稿しているので、宜しければ、#救済措置を実行せよ #名探偵コナン #夢主 で検索して見ていただけると幸いです。いつも応援してます。 (2019年4月28日 18時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 凄く読めて、読んだなぁって久々に実感した!面白かったです!!更新q(*・ω・*)pファイト! (2019年4月20日 1時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコト | 作成日時:2019年1月17日 1時