1人目の救済 萩原side ページ16
『子供の戯言だと思って聞き流さないで。爆弾のタイマーが止まったらすぐにマンションの住民を避難させてお兄さんも解体は諦めてすぐに逃げて。』
そう少女は続ける。
止められない?その発言にしばし俺は呆然とする。
するとカチンときたのか隣で聞いていた松田がギロリと少女を睨みつけた。
「まるで萩原が爆弾処理に失敗するみたいな言い方じゃねぇか。なんも知らねぇガキが適当なこと言ってんなよ。」
『失敗じゃなくて油断するなって言いたいんだよ。それに、知らないから言っているんじゃない、知っているから言っているんだよ』
「それはどういう事?」
『そのまんまの意味だよ』
「「……」」
まるでこの後何が起こるか知っているかのような発言に俺も松田も言葉を失う。
何者なんだろうこの子は、大人びた発言に理解しがたい発言の数々、でもその瞳は嘘を言っているようにもましてやからかっているようにも見えない。
「君は一体…」
[爆弾の場所を特定、直ちに解体に向かえ]
何を知ってるの?そう聞こうとした時、解体に向かえという上からの指示が降ってきた。
…まだ聞きたいことが山ほどあるが全てが終わった後ゆっくり聞けばいいか、と気を引き締め直しマンションの方に向かおうとした俺の手を少女はキュッと握りしめてきた。
「ん?」
『…せめて、何があっても防護服は絶対に脱がないで…』
「……分かったよ」
「萩原、なんかあったらすぐに電話しろ…」
「おう、了解」
429人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミコト(プロフ) - 1412さん» ……確かにっ(衝撃)ご指摘有難うございます!修正しておきます!! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 9d332e4a56 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - 思ったんですが、夢主さんが自販機でジュースを買っている話があったんですけど自販機に万札は入りませんよ?お話事態はとても面白かったです!! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 927162caee (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2019年1月17日 1時) (レス) id: 442cac4e68 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 凄く面白いです! 続き楽しみにしてます! (2019年1月17日 1時) (レス) id: a63d8a48ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミコト | 作成日時:2018年12月20日 23時