【ONEPIECE】大将と同期の中将と海賊と【短編集】２

もう眠れないな　【ウタ】 ページ5

“世界転覆計画”


エレジアで開催ライブ当日、新世界へと導く計画は始まる。
会場全員をウタワールドへ引きずり込みそこでは永遠とライブが開催されているが、現実世界でも仮想世界でもウタが探し求めている人物が居た。

此処は仮想世界、ウタワールド。
観客を可愛いモノへ変えてしまい、その中に自分が探している人が居ないかを探す。
しかしいくら探しても探しても見つからない。
そんな。どうして。どうして居ないの？
混乱しながらウタは泣くように叫んだ。

「どうして居ないの……Aッ！！一人に、しないで…」

Aをいくら探しても見つからないのは当然で、今も現実世界のエレジアを眠らず練り歩いているからであることを知らないウタ。
現実世界で必死に探し回るウタは血眼に探す。自分の“新時代”に存在していないAをひたすらに探して。
見つからなさ過ぎて半涙目になってきて焦りと悲しみ、怒りが複雑に混じり合った感情を胸に大きな声で高らかに叫んだ。

「みんなーっ！Aを探して舞台に上げよ〜ッ！」

心を置いて意識無しに眠っている観客たちはゆらりと起き上がり徘徊する。
死んでいる筈がない。ライブをする直前に私たちは会っているんだからと自身の心にウタは自己暗示するように言い聞かせた。
真っ先に、今すぐに、ずっと一緒に居たかったから探しているのに。何処に居るの？
１０分経った。まだ見つからない。
２０分経った。全然見つからない。
その時、特有の能力を使ったとみられる場所が割と近い範囲で見つけることが出来た。

「A…！！みんな、止めてーっ！」

全ての人たちが動きを止めた中、ウタは全力で走る。そこにはずっと探し求めていたA。
困った表情で立っている人物へ静かに疑問を投げかける。

「A…どうして眠ってないの？会場に居たのに…！」

とうとう掴みかかってウタの顔は怖く酷い表情。
その様子を見たAは苦笑しながら、とある真実を語る。
齧りかけのキノコを見せて小さく笑った。

「…これ、なーんだ？」
「っ…ネ…ズキノ、コ……まさか、食べたの…？」
「そうだね。ウタの計画は知ってたよ、ずっと前から。でも私はそんな所に行きたくなかった…死ぬならウタと一緒に死にたいの」

その真実を知ったウタはどうして…という言葉を繰り返し咽び泣くようにし、弱くAの手を握りながらズルズルとその場に崩れるように座り込む。
そして雨の中「ばかA〜っ」と幼い子供のように泣き喚くのだった。

子どもの頃から変わらぬ口付け　【ウタ】！ピンク有！→←光無しの隠れ鬼ごっこ　【黄猿】

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