●2UP 【黄猿】 ページ36
「あ、れ………？」
ベッドから身体を起こし胸に手を当てる。痛みは、ない。
何だか凄くリアルな感覚がある夢だったが、クザンに刺されたのは現実ではなかったようで酷く安心した。いつも通りに身支度を済ませて本部へ出勤してクザンとすれ違い心臓の鼓動が煩くなってしまうが、挨拶だけはちゃんとしなければならない。
「クザン、おはよう」
「ん、おはよ。…どうした？顔色が何か優れねェけど」
「夢見が悪くてさ…怖い夢を見たから多分それかも」
「あんまり無理しなさんな。あーそれと、何だ…A。ボルサリーノにはくれぐれも気…」
普通なようで良かったと一先ず胸を撫で下ろしたが、クザンが何かを言う瞬間にボルサリーノが割り込んできた。
「おはよォ、A〜。クザンと何を話していたんだァい？」
「ボルサリーノ、おはよう。いや夢見が悪くて顔色が優れなかったみたいで…自分じゃ気付かなかったんだよ。やっぱり悪いかな？」
「そうだねェ、何だかいつもよりお疲れ気味には見えるなァ〜…昨日何かしたのかい？どっかの誰かとは違って、仕事を溜めるようにも見えないけどォ」
「ちょっと、それ俺のことじゃないの」
君以外に誰が居るってんだよォ、と言い返しているいつものような光景に少しずつ元気が戻っていく感覚がしてその日は仕事に勤しむことが出来た。やはりあれは現実ではなく酷い悪夢にしか過ぎなかったらしい。
一日の仕事が終わった為、帰ろうとしたら机上に不思議な文字が書かれていた。
「《サカズキと帰る》・《ボルサリーノと帰る》…？何これ…この文字っていつから……あっ、しまった触っちゃったら消えちゃった。何だったんだろう…」
「おい、A。仕事は終わったか。…丁度わしも終わったところじゃけぇ、一緒に帰らんか」
偶然…？まあ偶然だろう、昔はこういう事もあったし。
断る理由もない為サカズキと一緒に帰ることにして辺りがすっかり暗くなってしまった道を、何気ない会話をしてあっという間に分かれ道へと着く。
その際、何故かクザンが言い掛けていたような言葉の続きを言われた。
「…A。ボルサリーノにくれぐれも気ィつけんさい」
「？…うん、まあそうするよ。ありがとうサカズキ」
何を気を付けないといけないのかさっぱり分からないものの、明日になったら様子は見ようかと考える。
そのまま自分の家まで歩いて敷地内へ踏み込んだ瞬間、急所を光で撃ち抜かれた。
「君を愛してるのに酷いよォ〜…置いていくなんて」
[１]
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零猫(作者1)(プロフ) - ねむさん» 有難う御座います！師走で何かと忙しいですが、またチマチマ頑張っていきます！ (2022年12月10日 12時) (
レス) id: 909ea21d0e (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 次の更新も楽しみにしています！ (2022年11月29日 9時) (レス) id: 5d4dcca220 (このIDを非表示/違反報告)
零猫(作者1)(プロフ) - 碧.さん» その言葉で大変頑張れます！( ᷇࿀ ᷆ )貴方の勇気が私の活力になりましたので、またお話が思い浮かんだら更新していきます！！( 'ω') (2022年11月6日 23時) (レス) id: f107f7bb54 (このIDを非表示/違反報告)
碧. - 何時も楽しく読ませて頂いております！ずっとコメントしたかったのですが勇気がでず今日やっとコメントが出来ました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)旧三代将もウタも大好きなのでこれからも更新楽しみにしています！ (2022年11月5日 23時) (レス) id: 7eb027a135 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 零猫(作者1)さん» 新しく更新されたのも最高でした！ありがとうございます！ (2022年10月22日 17時) (レス) @page20 id: 8adf995a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零猫(作者1) | 作成日時：2022年10月15日 18時
